ボルボC30フロント外観|伊達セレクション
ボルボのプレミアム3ドアコンパクトハッチであるC30。写真上下は10年2月に登場した後期型。フロントを中心に外観を大きく変更し、同時にグレードバリエーションを整理した。中心グレードである2.0eアクティブに搭載されるエンジンは自然吸気2Lで、パワーシフトと呼ばれるデュアルクラッチ式トランスミッションと組み合わされる。
ボルボC30リア外観|伊達セレクション
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アベノミクスが成功してもプレミアムコンパクト志向は変わらない

いわゆるアベノミクスへの期待もあってか、去る1月28日には日経平均株価が一時、約2年9ヵ月ぶりに1万1000円を上回った。景気の先行きを正確に予測することなど誰にもできないが、少なくともここ数年間続いた「贅沢は敵だ!」的に極端な縮小均衡志向は、いったん踊り場にたどり着いたように思える。

とはいえ近年のトレンドである「小は大を兼ねる」「モノより思い出」的な、要するにミニマルな価値観が急激に崩れ、いきなりバブリーな物々が巷にあふれるとも思えず、車においても「ド高級車よりも、エコ・コンシャスなプレミアムコンパクトのほうが賢そう」という図式は簡単には覆らないだろう。

エコ・コンシャスなプレミアムコンパクト。日本車で該当するのはレクサスCT200hぐらいかと思うが、輸入車ではそれこそ星の数ほど現存するジャンルだ。それらの中からどれを選ぶかは当然、各個人の好みと財布に応じてお好きにどうぞなわけだが、プライスアクション的に今おもしろいと個人的に思うのが、ボルボC30である。それも10年2月からのいわゆる後期型だ。

ご承知のとおりC30は、もっとも小さなボルボとして07年7月に登場した3ドア・プレミアムコンパクト……というか「伝統のシューティングブレーク」と呼ぶべき形状か。ガラス製のハッチゲートや内側に湾曲したリアのサイドウインドウが特徴となる、当時のボルボとしてはかなり意欲的なデザインであった。後席はぜいたくなセパレート式2人がけで、所帯じみた国産コンパクとはひと味もふた味も違うコンパクトカーだ。

前後のデザインバランスがとれた後期型も総額100万円台に

しかし前期型は、やや凡庸なデザインのフロントマスクが、リア回りのトンパチさと比べてやや弱いと思っていた。だがそれも、10年からの後期型ではフロントマスクもリアに負けず劣らずトンパチとなり(←ホメてます)、グッとバランスが良くなっている。

難点の1つは、決して燃費の悪い車ではないのだが、最新のダウンサイジング直噴ターボなどと比べれば、あくまでオーソドックスな2L直4DOHCエンジンはさすがに若干の見劣りはする。また前期型はさておき、後期型の中古車はこれまでそこそこの高値をキープしていたとういう問題(?)もあった。

しかし下記物件リンクを踏めばわかるとおり、後者の問題はすでに解決している。走行1万km未満の11年式でも、もはや100万円台なのだ。それも、しゃれた2トーンのレザーシートなど約50万円相当の装備が付いた「ラグジュアリーパッケージ」でも、その価格。正直これはかなりお買い得であると思う。

まぁ物事すべて「安い」というのには理由があり、なぜC30後期型が(ラグジュアリーパッケージでさえも)安いかと言えば、単純に人気薄だからだ。実際、本国ではすでにC30の生産終了が発表されており、ボルボのこのセグメントは今後、新型のV40が担うことになる。

しかしそういった「人気ウンヌン」や「新型ウンヌン」は、流行のみを追う者に任せておけば良い。そういった事象とは無関係に、もしも後期C30があなたの感性と財布にビビビときたならば、一度チェックしてみて損はない。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
おしゃれさんにぜひ見てほしい、ボルボC30後期型!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE