プジョー106
写真上のプジョー106S16はご存じのとおり5MT。ある意味「素うどん」と言える車だが、本国にはもっと小さなエンジンで装備も簡素なグレードが存在した。で、それがまた本当にすばらしかった! また下写真のランチアイプシロンでは、一部の中古車販売店がディーゼルエンジンモデルを独自に輸入したりもしている。ディーゼルエンジン搭載車も、もっと日本に増えてほしい存在だ。
ランチアイプシロン
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
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欲しいのは「素うどん」のような車

当事者たちからは「オッサン大きなお世話だよ」と言われそうだが、最近の若い女性たちを見ていて思うのは「化粧が濃い」ということだ。特にアイメイクが非常に濃い。まぁ流行ということなのだろうが、アラフォーのオッサンとしてはとにかく「もったいないなぁ」と思うほかない。もっと素材の良さを前面に打ち出す方向のメイクにすれば、よりカワイイのに、と。

同様に「もったいないなぁ」と思うのは、実用的なモデルにおける正規輸入車の「仕様」である。本国では素うどんのようなエンジンと簡素な装備で、そしてそれが逆に魅力的であるはずの大衆車なのに、日本仕様ではどうしてもゴージャスなフル装備となり、そしてトランスミッションも素うどん的5MTではなく4AT、なかにはよりゴージャスな学習機能付き5ATとかも搭載される。

それが悪いとは言わぬし、様々な事情があってのことと承知もしている。しかし同時に、素うどんの良さを知っている身としては「あぁ、もったいないなぁ・・・」とつぶやくことをやめることもできないのだ。

大衆欧州車のMT仕様は、スポーツモデルのMT仕様以上に痛快?

最近ではルノーが、パンピーにはあまり売れそうもない「マニアックなモデル+MT」というパッケージを積極的に正規輸入し、一部輸入車ファンの喝采をあびている。ゴルフみたいなフツーのルノー車を輸入したってどうせ売れないんだから(←失礼。でも過去の実績を見るとそう言わざるを得ない)、ルノージャポンの方向性はきわめて正しいと言えるだろう。

今のところルノーに追随するインポーターが出てくるかどうかは謎だが、まぁそれはどうでも良い。なぜならば、我々の眼前には過去に販売された「素うどん的中古車」があるからだ。

絶対数はさほど多くないし、本国の本格素うどん(?)と比べると装備などがゴージャスすぎるきらいはある。しかし、日本仕様のAT版ではどうにも本来の魅力をフルに発揮していたとは思えない実用モデルも、少数だが輸入されたMT版を選ぶだけで、「そうそう! ヨーロッパの大衆車ってこうなんだよね!」という痛快感を、ある種の驚きとともに得ることができる。スポーツモデルのMT仕様が痛快なのは当たり前だが、「一見しょっぱいフツーの大衆欧州車」のMT仕様こそ、じつは最大の驚きであり、同時にかなりの推奨銘柄でもある。

ということで、今回の伊達セレクションはずばり・・・
「ごくフツーの大衆欧州車のMT版で、その走りっぷりに驚いてみませんか?」


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE