ホンダ ステップワゴン【モデル概要編】
2008/05/09
低床・低重心によってスポーティなフォルムと
軽快なフットワークを手に入れたホンダの代表的ミニバン
●コンセプト
コンパクトで扱いやすい5ナンバーサイズを実現
乗用車をベースとした1.5ボックス系ミニバンの先駆けとなったのが、ステップワゴン。違和感のない操縦性と広い室内を両立したコンセプトは、他社の追随するところとなった。3代目となるこのモデルでは、1.5ボックス系ミニバンのあるべき姿が見つめ直された。シリーズとして初めて、ホンダが他のモデルでも推進する低床・低重心コンセプトを採用。デザインにも“チョイ悪テイスト”を加えるなど、大変身を図った。
全高を下げたのは、ホンダらしいスポーティな走りの実現も理由の一つだが、それ以上に女性ドライバーへ「大きくて運転しにくそう」という印象を与えたくなかったからだという。
全高はライバル他車より70~80mmほど低いが、従来モデル比で床面を60mm下げており、室内の広さは遜色ない。上級グレードは2.4Lエンジンを積むため3ナンバーとなるが、ボディ自体は5ナンバーサイズだ。
●メカニズム
2種類の直4エンジンとAT、CVTの組み合わせ
搭載されたエンジンは、基本は先代モデルからキャリーオーバーしたもの。排気量は2Lと2.4Lで、どちらも直4だ。可変バルブタイミング&リフト機構のi-VTECを装備する16バルブDOHCエンジンで、低回転時には片側の吸気バルブを休止させることで、高トルクとパワーの伸びを両立させている。トランスミッションは基本的にAT。2Lエンジンは4速、2.4Lエンジンの4WDが5速で、2.4LエンジンのFFのみCVTの組み合わせだ。CVTは7速マニュアル変速モード付きとなる。
前輪がスリップしてから後輪にトルクが伝わるスタンバイ方式の4WDは、先代からさらに進化しており、スリップ時の応答性が高められた。
このほか、追突の危険が迫っているときに警報が作動し、不可避になるとブレーキが作動するCMS(追突軽減ブレーキ)も用意。Sパッケージ車などの一部にオプションで設定された。
●エクステリア&インテリア
低重心ボディが叶えたスポーティなフォルム
1.5ボックス系ミニバンの常識を覆す低いフォルムは、アッパーボディで軽快さを、ロアボディで躍動感を表現。加えて、強い前傾角をもつサイドのキャラクターラインが、シャープなスピード感を与えている。吊り上がったフロントコンビネーションランプと、ワイドに開いたフロントグリルが作る表情も特徴的。他の車の中に埋もれない存在感を放っている。
後席ドアはスライド式で、両側に装備。左側のみだった従来モデルに比べて、使い勝手は大幅に向上している。
インパネは水平のラインで構成されており、助手席まで延びたデジタルメーターが斬新だ。
シート配置は3列で、2列目はベンチシートの8人乗り。2列目シートはタンブル格納できるが、スライド機構はもたない。3列目は左右に跳ね上げる方式で、190mmのスライドが可能。フローリング調のフロアカーペット仕様があるのがユニークだ。
●インプレッション
ストレスなく運転できるキビキビした走行性能
低い車高を生かした軽快なフットワークが、ステップワゴンの持ち味。ロールの小ささと違和感の少なさでは、他の追随を許さない。メーター類の見下ろし角も小さく、セダンからの乗り替えでも違和感は小さめ。ステアリングは上下に加え、前後方向の調整機構が付くのもよい。動力性能的には、2Lでもほとんどの場面で不足は感じない。高速道路の追い越し加速や登坂時のパワーを重視しないのであれば、2Lで十分だろう。
2.4L車は操舵力も大きめで、重厚感のあるハンドリング。乗り心地も締まっており、よりスポーティ方向に振った設定だ。
バイヤーズガイド
■狙い目グレード
H20年式なら新車に近い物件と出会えるかも
マイチェン後は流通量が減少するため、H18年式以前が探しやすい。特に、GのLSエディションは流通量が多い上、装備も充実していておすすめだ。一方で、H20年式は物件数が少ないものの、走行距離10km未満のものがほとんど。予算に余裕がある場合はこちらで探すのも手だろう。なお、どの年式も2.4L車は少なめなので、気に入った物件を見つけたら即決が必要かも。
■購入時のチェックポイント
内装のヘタリ具合は納得がいくまで確認を
リコール情報で対象台数が多いのは、燃料ポンプのトラブル。これはH17年5月から10月に生産された車両の一部に見られる現象だ。対象車両の場合は、整備手帳で対策済みかを確認したい。また、多人数乗車で使われていた可能性が高いため、シートをはじめとする内装チェックは必須。可動個所に不具合はないか、ラゲージにキズはないかなどをしっかりチェックしよう。
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src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-34_01.jpg" width="224" height="153" alt="ホンダ ステップワゴン フロントスタイル|人気車購入ガイド" />
↑押し出し感の強い大型グリルを採用。バンパーのコーナー部やボンネットフード前端を滑らかな形状としたことで、立体的な印象に仕上げられている
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src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-34_02.jpg" width="224" height="153" alt="ホンダ ステップワゴン リアスタイル|人気車購入ガイド" />
↑スクエアな形状で、広い空間を感じさせるリア回り。リアコンビランプのデザインが、サイドからのキャラクターラインに同調しているのも特徴だ
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src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-34_03.jpg" width="224" height="153" alt="ホンダ ステップワゴン シート|人気車購入ガイド" />
↑フローリング調のフロアや、白色ガラスを採用したトップライトルーフを設定。まるでリビングルームのようなくつろぎ感と快適さが演出されている
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src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-34_04.jpg" width="224" height="153" alt="ホンダ ステップワゴン スライドドア&底面地上高|人気車購入ガイド" />
↑2列目シートの床面地上高は、子供でも無理なく乗り降りできる390mmに設定。リア両側のスライドドアは開口部が広く、3列目への乗降もしやすい
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