スポーツカーのDNAを継ぐ“Zoom-Zoom”なミニバン
数ある車の中には、同じようなコンセプトで開発されながらもメーカーの異なるライバル車というものが存在します。例えば日産エルグランドとトヨタアルファード、日産セレナとホンダステップワゴンなどがライバル関係にあります。

この両車、新車で買うとなれば多少の値引きはあると思われますが、新車価格から大幅に安くなることはありません。ところが中古となれば話は別。中古車の価格は人気に大きく左右されるので、人気のないほうは圧倒的に安く買うことができます。

そこで今回目をつけたのが、トヨタエスティマとマツダMPV。2006年1月にはエスティマが、2月にはMPVが、とほぼときを同じくしてデビュー。どちらも走行性能と居住性の高さを武器に、まさにガチンコ状態で登場したわけです。しかし今のところエスティマの一人勝ちという状況。となればもうおわかりですね。そうです、今回はそのマツダMPVをご紹介します。
マツダ MPV 走り(フロント)|おいしい中古車 マツダ MPV 走り(リア)|おいしい中古車
↑“ドライバーズミニバン”を謳うだけあって、Lクラスのサイズながらその走りはとても優れたもの。力強くシャープなスタイリングも特徴的だ(左右)
先にお話したとおり、2006年の2月に3代目(ちなみにエスティマも3代目)として登場したMPVは、単に広くて使いやすいミニバンにとどまらず、高い動力性能や操縦性も併せ持つ「スポーツカーの発想」で開発されています。その言葉に偽りはなく、ボディやサスペンションは新設計。ミニバンとは思えないほどの高い走行性能を実現しています。そのあたりはマツダブランドのDNAとして掲げる「Zoom-Zoom」に基づくものです。

走りの根幹を担うパワートレインは、これまた新開発の2.3L直4ターボに、燃費効率に優れる2.3L直4のNAをラインナップ。組み合わされるミッションは、ターボと4WDモデルには6AT、NAモデルには4AT(2008年1月のモデルから5AT)。ライバルのエスティマがCVTを搭載していることを考えれば若干見劣りする感もありますが、4ATでも燃費は良好。10・15モード燃費を比較すると、エスティマの12.4km/Lに対し、MPVが12.2km/Lと、大差ありません。

Lクラスミニバンの中でも破格の“おいしさ”を誇る
使い勝手の面で他車を一歩リードしているのがシートアレンジ。2列目シートは前後のスライドはもちろん、左右にもスライドするのです。7人乗りにしようか8人乗りにしようかはミニバンの悩みどころでもありますが、MPVなら心配ご無用。ベンチシートにもキャプテンシートにもなるので、目的に応じて使い分けることが可能です。
マツダ MPV インパネ|おいしい中古車 マツダ MPV インテリア(ブラック)|おいしい中古車 マツダ MPV スーパーリラックスシート&オットマン|おいしい中古車
↑機能的にまとめられたインテリア。カラーはベージュとブラックの2色(左中) セカンドシートはオットマンなどの機能の付いたスーパーリラックスシートを採用(右)
車としての良さは納得してもらえたと思います。では一体どのくらい安いのか?そのおいしさの度合いは、当然ライバルであるエスティマとの比較です。今回も同程度の物件で金額の差がどれぐらいあるのかを調べてみました。

MPV:2.3 23C+’07年式+走行0.1万km+修復歴なし=178.5万円(新車時価格247万円)
エスティマ:2.4 アエラス+’07年式+走行0.5万km+修復歴なし=279.9万円(新車時価格286万円)

まずは新車価格からの値落ちを見てください。MPVの68.5万円に対し、エスティマはたったの6.1万円。車両価格差にいたっては、なんと100万円以上。ただ、新車価格が異なる(39万円エスティマが高い)のでそのまま比較はできませんが、100万円以上開くというのはかなりのものです。

上記のように、中古車の場合は登録から1年未満の車でもこれだけ差がつくこともあります。この手のミニバンを狙っていたみなさん、今までは候補に入っていなかったかもしれませんが、ぜひMPVに目を向けてみてください。以前ご紹介したプレマシーもそうですが、マツダのミニバンは優れた走行性能が魅力。パパも満足できるはずの走行性能、一度味わってみませんか?

Text/金子剛士

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