「きっと、あなたのココロが走り出す。」“Your heart will race.”そんなテーマをもつ東京モーターショー2015の見どころとして各メーカーのコンセプトカーたちは外せない。コンセプトカーは今すぐには手に入らないけれど、今買える車たちだって、その時代時代の人々が考えた素敵な未来を具現化するために生まれてきたのだ。今回は最新のコンセプトカーがもつテーマに通ずる「今、手に入る車たち」をセレクトした。

▲彫りの深いフロントマスクが印象的な「越 KOERU」。車格的にはアクセラのクロスオーバー版というところ ▲彫りの深いフロントマスクが印象的な「越 KOERU」。車格的にはアクセラのクロスオーバー版というところ

クーペよりもむしろスポーティ?な独特の存在感

欧州メーカーを中心に、クロスオーバー車ブームに沸く昨今。今年9月のフランクフルトモーターショーでプレミアされ、今回の東京モーターショーでも披露されたマツダの「越 KOERU」もそうしたクロスオーバー市場を狙ったコンセプトモデルです。エクステリアには野生動物のような力強い生命感、そして日本的な奥行きのある造形である「魂動(こどう)」が表現されています。
突き詰められたデザインと、都会にピッタリと合うコンパクトさを兼ね備えたKOERUを見ると、あのスタイリッシュな車が思い浮かびます。


ステーションワゴンの車高アップ版が出発点

その車とは、ずばりアウディ 初代オールロードクワトロ。ステーションワゴン譲りの低めの全高と、大径ホイールなどの装飾に始まるアウディならではのシンプルな線で構成されたデザイン。直線基調なそれはマツダとは路線が異なるかもしれませんが、それぞれのメーカーが自分たちの表現したい造形を突き詰めた、その到達点としては似ているともいえます。

▲A6アヴァントをベースにワイド化、フロントバンパーのデザインなども差別化された初代オールロードクワトロ ▲A6アヴァントをベースにワイド化、フロントバンパーのデザインなども差別化された初代オールロードクワトロ
▲油圧による車高調整機能も備えていて、実は悪路での走破性も見た目以上に高い! ▲油圧による車高調整機能も備えていて、実は悪路での走破性も見た目以上に高い!

洗練されたデザインは今なお色褪せていない!

1999年に初代モデルが登場し、2001年から日本にも導入されたオールロードクワトロ。二代目以降ではA6オールロードクワトロと名称が変わり、A4をベースにしたコンパクトなモデルも追加されました。後年のモデルは限定販売だったため、年式の古いものほど中古車市場でタマ数が豊富だったりします。最近はQシリーズの人気に押され気味ですが、SUVじゃ都会で持て余す、アヴァント(ステーションワゴン)じゃ物足りない、という人にとっては丁度良いモデルなんですよね。

text/田端邦彦 photo/アウディ、ゆきだるま