「きっと、あなたのココロが走り出す。」“Your heart will race.”そんなテーマをもつ東京モーターショー2015の見どころとして各メーカーのコンセプトカーたちは外せない。コンセプトカーは今すぐには手に入らないけれど、今買える車たちだって、その時代時代の人々が考えた素敵な未来を具現化するために生まれてきたのだ。今回は最新のコンセプトカーがもつテーマに通ずる「今、手に入る車たち」をセレクトした。

▲全高1,160mmというペッタンコのボディ。エクステリアは無駄をそぎ落としながら、マツダの魂動デザインで動きを表現 ▲全高1,160mmというペッタンコのボディ。エクステリアは無駄をそぎ落としながら、マツダの魂動デザインで動きを表現

欠点をなくした次世代のロータリーを搭載

マツダ・スポーツカー好きの皆さま、お待たせしました。RX-8以来、ラインナップから消滅していたローターリーエンジン搭載車が、ついに復活です! と言ってもコンセプトカーですが…。東京モーターショー・プレスデーでワールドプレミアされたのは、次世代のロータリーエンジン技術「SKYACTIVE-R(“R”はもちろんロータリーの略ね!)」を採用し、「美しいFRスポーツのカタチを追求した」という流麗なスタイリングのコンセプトカー「RX-VISION(アールエックス・ビジョン)」。ショートオーバーハング&タイトなキャビンから成るアグレッシブなフォルムは、居住性に配慮した設計にせざるを得なかったRX-8の後継ではなく、ピュアスポーツだったRX-7の流れを汲むモデルであることを主張しています。

しかも全長4,389mm、全幅1,925mmという巨大なボディサイズでありながら、2シーターなのですよ。もちろん、コンセプトモデルだけに誇張されるのは当然ですが、ちょっと極端すぎるかも。こんなディメンションのクルマ、国産では今だかつてありませんでしたから…。マツダ自身、このコンセプトモデルを「いつかは実現したい夢」と説明するように、市販モデルに至るまでの道のりは、まだかなり遠そうです。

国産車にはないけど、アメリカや欧州ではあり得るサイズ?

あ、でもデッカくて薄いボディに、2シーターのキャビンがちょこんと載ってる感じ、どこかで見たことある。コンセプトはともかく、フォルムだけならアメリカン・スポーツの雄、ダッジ バイパーあたりが近いかもしれません。バイパーはV10(!)というトンでもないパワーユニットを積んだ豪快なクルマ。初代モデルが1991年に登場し、日本にも1997~2002年の期間、正規輸入された実績があります。モデルを追うごとに乗り味は洗練されていきましたが、じゃじゃ馬的なムードは二代目以降のモデルでも健在。国産スポーツカーに見られるデジタルな運転感覚とは全く異なりますが、純正ドラッグレーサー的な走りには独特の魅力がありますヨ。

▲自然吸気でありながら500PSオーバーの最高出力(後期は600PSオーバー!)を叩き出す二代目バイパー。日本に存在するのは並行輸入モノのみ ▲自然吸気でありながら500PSオーバーの最高出力(後期は600PSオーバー!)を叩き出す二代目バイパー。日本に存在するのは並行輸入モノのみ
▲ボディ剛性を上げたりして走りを洗練させつつも、アメリカンらしさは存分に感じられます! ▲ボディ剛性を上げたりして走りを洗練させつつも、アメリカンらしさは存分に感じられます!
text/田端邦彦 photo/田端邦彦、ダッジ