「きっと、あなたのココロが走り出す。」“Your heart will race.”そんなテーマをもつ東京モーターショー2015の見どころとして各メーカーのコンセプトカーたちは外せない。コンセプトカーは今すぐには手に入らないけれど、今買える車たちだって、その時代時代の人々が考えた素敵な未来を具現化するために生まれてきたのだ。今回は最新のコンセプトカーがもつテーマに通ずる「今、手に入る車たち」をセレクトした。

▲ちょっと異様なほどのワイド感。全幅はなんとアルファードより100mmも広い1956mm! ▲ちょっと異様なほどのワイド感。全幅はなんとアルファードより100mmも広い1956mm!

前代未聞の多彩すぎるシートアレンジ! 純正で「ラウンジ感覚」を実現しちゃった車

スズキブースの中でもひと際異彩を放っている「Air Triser(エアトライサー)」。押し出しの強いエクステリアデザインもさることながら、ボディサイズが特徴的です。全長は4200mmとコンパクト車程度なのに対し、全幅は1956mmとハマーH3(全幅1995mm)クラス! スズキもついにOEMではない自社生産の大型ミニバンに挑戦か? というところですが、それにしてもこの縦横比……。

異様なほどに幅が広いのには理由があります。3列シートをリラックスできる対面配置にしたり、ラウンジモードと呼ばれるコの字型配置にしたりすることができる「プライベートラウンジ」をコンセプトとしているからなのです。Bピラー部分には天井までつながる大型ディスプレイも。エグゼクティブを相手にちょっとしたパーティや打ち合わせなど、いろいろなことができちゃいそう。ちょっと怪しげな雰囲気も、スズキらしからぬところ。

さて、「ラウンジ」をテーマとした車といえば、今年フルモデルチェンジされたトヨタ アルファード&ヴェルファイアが思い浮かびますね。中でもオットマン付きのセミアニリン本革表皮セカンドシートなどを採用した超高級仕様の「エグゼクティブラウンジ」あたりはズバリ。それでもシートアレンジは限られているから、「Air Triser」がいかに個性的か、よく分かります。

▲高級皮革の表皮、ベンチレーション機能などを備えたアルファード エグゼクティブラウンジのセカンドシート ▲高級皮革の表皮、ベンチレーション機能などを備えたアルファード エグゼクティブラウンジのセカンドシート
▲通常のアルファード&ヴェルファイアも十分高級で、ラウンジの雰囲気を出していますけどね ▲通常のアルファード&ヴェルファイアも十分高級で、ラウンジの雰囲気を出していますけどね
text/田端邦彦 photo/トヨタ、○○