レースで真価を発揮したHIDを国産車で初めて採用したのは2代目テラノでした
2015/06/26
日産のHIDライトをジャガーが本気で欲しがった!?
中古車は走行距離や年式の他に搭載される装備でも価格が変わってきます。人気装備が付いているものは値段が高くなる傾向にありますが、代表的なものがHIDヘッドライトやLEDヘッドライトです。
キセノンライト、ディスチャージヘッドライトとも呼ばれるHIDライト。HID、LEDともに夜間走行で前方をハロゲンライトより明るく照らすことができるのはもちろん、ファッション性からも人気となっています。
ガス放電による発光で前方を照らすHIDライトは1980年代から研究開発が始まったといわれています。そして1991年、BMW 7シリーズに初めてHIDヘッドライトが採用されました。
日本でも自動車用ランプやミラーを製造する市光工業などが研究開発し、24時間耐久レースに参戦するマシンで採用されました。1992年のデイトナ24時間レースでは日産 R91CPに市光工業製のHIDランプを搭載。長谷見昌弘選手、星野一義選手、鈴木利男選手がドライブする23号車がレース周回数の記録を更新して優勝しました。
このマシンの開発を担当したNISMOの柿元邦彦氏(現・スーパーGT日産系チーム総監督)は日産コーポレートサイトにアップされた2012年のレポートで当時のことを以下のように振り返っています。
『このディスチャージランプ(HID)は明るくて、勝利に大きく貢献したんです。各社とも開発をやっていたんですが、市光さんの技術が優れていて、初めてレーシングカーにもきちっと採用されました。当時競っていたジャガーチームからも是非売ってくれという話がレース直後に来ましてね、値段はいくらでもいいって言うんですよ。我々もいいランプだと思っていましたが、他社から見ても非常に良かったということですね』(日産自動車企業サイト『デイトナ24時間レース:日産、かく戦えり』より引用)
そして日産は1996年にテラノにHIDライトを採用。また同じ年にトヨタもマークIIなどにHIDライトを採用しました。
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