▲ドイツを代表する超高級車チューナー「マンソリー」が手掛けた世界限定15台のアストンマーティン DB9 ▲ドイツを代表する超高級車チューナー「マンソリー」が手掛けた世界限定15台のアストンマーティン DB9

ベース車両よりも高額な内外装のカスタマイズ

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2015年6月9日に発見したのは「アストンマーティン DB9 Mansory Cyrus Edition」です。世界の超高級車のカスタマイズを手掛ける、ドイツのマンソリーのフルコンプリートカーで、ベースはその名のとおりアストンマーティン DB9です。

誤解を恐れずに言うと、マンソリーは「パワー」よりも「個性」を重んじたカスタマイズで有名です。もっと踏み込んで言うと、カーボンを多用したカスタマイズで、これ自体がマンソリーの個性でもあります。

マンソリーがベース車とするモデルはいわゆるハイパフォーマンスカーですが、メカニカルな部分をさほどいじらず、内外装にお金をたっぷりかけるというカスタマイズ手法を取っています。

アストンマーティン DB9 Mansory Cyrus Editionは、2009年のフランクフルトモーターショーでお目見えしました。カーボンのボディパネル、インテリアなどフルキットの価格は38万ユーロ(約5000万円)で、車両本体価格よりも高いほどでした……。

▲外装パネルはすべてがカーボンです。もうグーの音も出ないほどカーボンまみれ。しかもカーボン目のむき出しが美しいんです ▲外装パネルはすべてがカーボンです。もうグーの音も出ないほどカーボンまみれ。しかもカーボン目のむき出しが美しいんです

▲インテリアは本革シートやルーフライニングにキルティング加工が施される他、カーボンパネルが上品に配されています ▲インテリアは本革シートやルーフライニングにキルティング加工が施される他、カーボンパネルが上品に配されています

価格を聞くと「誰が買うんだ?」と思うかもしれませんが、世界には車の“差別化”を求めてやまない大富豪たちがウヨウヨいらっしゃるものです。日本にもそんな“凄い”新車ユーザーがいらっしゃったのでしょう。そう考えると、日本のエンスー(自動車ファン)もまだまだ元気です。

さて、 DB9 Mansory Cyrus Editionはスポーツエキゾースト、スポーツキャタライザーなどの装着により最高出力が28ps向上。マンソリーの公表よれば、0→100km/h加速は4.8秒、最高速度は310km/hとなっています。

▲エンジンはノーマルですがエキゾースト関係の見直しで28psアップと控えめなチューン。カーボンのタワーバーが美しいです ▲エンジンはノーマルですがエキゾースト関係の見直しで28psアップと控えめなチューン。カーボンのタワーバーが美しいです

当該中古車の車両価格は2880万円ですから、相当なお金持ちでもなければ縁遠い存在ではあります。しかし、ベース車両の価値、そしてマンソリーのフルキットが38万ユーロであったことを鑑みれば「バーゲンプライス」とも言えます(笑)。

走行距離はわずか2000kmですし、写真を見る限り、とてもじゃありませんが5年落ちとは思えません。カーボンエクステリアの迫力は今見ても斬新ですし、インテリアのキルティング加工やカーボンのあつらえなどはまさに「贅の極み」。ただただ「凄い」という言葉を連発してしまう作りです。ぜひ物件詳細の写真を、ご覧になってください。一見の価値がありますよ。

■本体価格(税込):2880.0万円 ■支払総額(税込):---
■走行距離:0.2万km ■年式:2010(H22)
■車検:2016(H28)年1月 ■整備:無 ■保証:無
■地域:埼玉

text/古賀貴司(自動車王国)