▲信長と秀吉は尾張、家康は三河、ともに現在の愛知県出身。おのおのの性格を例えて後世に詠まれた「鳴かぬなら 殺してしまえ/鳴かせてみよう/鳴くまで待とう ホトトギス」の句は有名。また、天下統一の過程を詠った「織田がつき、羽柴がこねし天下餅、座りしままに喰うは徳川」といった狂歌も ▲信長と秀吉は尾張、家康は三河、ともに現在の愛知県出身。おのおのの性格を例えて後世に詠まれた「鳴かぬなら 殺してしまえ/鳴かせてみよう/鳴くまで待とう ホトトギス」の句は有名。また、天下統一の過程を詠った「織田がつき、羽柴がこねし天下餅、座りしままに喰うは徳川」といった狂歌も

没後400年にあたる徳川家康にドイツ車を勧める理由とは

今年は徳川家康が没して400年。織田信長、豊臣秀吉の後を継ぎ、天下を統一した。260年も続く太平の世を作り出した偉人の功績をたたえ、ゆかりの地である静岡では様々な記念行事が行われている。そこで、カーセンサーも家康公を顕彰する意味をこめて勝手にオススメの車を考えてみた。

家康の性格を語るときに多用されるのが「質実剛健」と「質素倹約」。車において「質実剛健」と言えば、まず想起されるのはドイツ車だろう。その中でも「質素倹約」といえば、大衆車であるVW(フォルクスワーゲン)が思い浮かぶ。とはいえ、将軍という立場からすると、ある程度のプレミアムは必要。そこでオススメしたいのがVWのフラッグシップモデル、トゥアレグ(現行型)だ。

トゥアレグはVWがポルシェと共同で開発を進めた高級SUVで、オフロードでの高い走破性、オンロードでのスポーティな走り、高級セダンにも匹敵する快適な乗り心地が特徴だ。ちなみに、初代トゥアレグをベースにした軍用車もあったので、戦上手の家康にはうってつけだ。

中でもオススメしたいグレードは「ハイブリッド 4WD」。3Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムにより、V8モデルと同等の走行性能を確保しながら、10・15モード燃費は13.8km/Lを実現しており、「質素倹約」の名に恥じない。

今年2月10日、ビッグマイナーチェンジを受け4年ぶりにデザインが刷新されたので、2代目は今が買い時。これも倹約家の家康には嬉しいポイントだろう。

▲初代に比べると、2代目(現行型)トゥアレグは内外装の質感が大幅にアップ。カーセンサーnetにはモデル全体で41台掲載されており、ハイブリッド車は16台あった(2015年4月21日現在)。なお、モデル全体の平均車両価格は約485万円 ▲初代に比べると、2代目(現行型)トゥアレグは内外装の質感が大幅にアップ。カーセンサーnetにはモデル全体で41台掲載されており、ハイブリッド車は16台あった(2015年4月21日現在)。なお、モデル全体の平均車両価格は約485万円

さて、家康に中古車を勧めたなら、やはりあの2人にもオススメしておきたい。そう、織田信長と豊臣秀吉だ。

織田信長にオススメの車は次世代のPHEV

織田信長といえば、南蛮製品や新しい技術が大好きで、若い頃は傾奇者としても鳴らしたお方。安土城を見ればわかるように、奇抜なデザインも積極的に取り入れている。この条件を満たす車といえばアレしかない。BMW i8だ。

印象的な青いラインを重ねたレイヤリング・デザインによる未来的な外観が魅力。動力性能ももちろん優れており、後輪は最高出力231psを生み出す1.5L直列3気筒ターボエンジンで、前輪は131psの電気モーターで駆動する、ハイブリッド4WDを採用。0-100km/h加速は4.4秒という、信長も満足の暴力的加速を実現している。

▲プラグインハイブリッド車でコンパクトカー並みの燃費性能と低排出ガスを実現している。カーセンサーnetには6台しか掲載されておらず、中古車の価格帯は2090万~2500万円! 新車時価格の1917万円を上回っている ▲プラグインハイブリッド車でコンパクトカー並みの燃費性能と低排出ガスを実現している。カーセンサーnetには6台しか掲載されておらず、中古車の価格帯は2090万~2500万円! 新車時価格の1917万円を上回っている

豪華絢爛を愛した豊臣秀吉には世界最高の高級車

最後に、豊臣秀吉。とにかく派手好きだった秀吉。金に糸目は付けず、大阪城や聚楽第などを見ればわかるように、規模の大きさにもこだわった。となると、オススメは世界最高級の車であるロールスロイスのフラグシップ、ファントムだ。

4ドアセダンのボディは、全長が約6m、全幅が約2m、全高が約1.7mもある堂々たるサイズ。足元には毛足の長いカーペットが敷かれ、インパネは全面がウッドパネルで覆われるなど、独特の高級感が演出されており、豪華絢爛をよしとする秀吉も満足することだろう。

また、秀吉といえば、毛利との戦中に本能寺の変を知り、早々に和議を結んで京に戻り明智光秀を討った「中国大返し」が有名。ファントムのエンジンはBMW製の6.7L V12。踏み込めばしっかりと反応し2.6tの車体をグイグイと引っ張ってくれる。秀吉を天下人へと押し上げた、疾風のような移動も可能だろう。

▲ロールスロイスは英国の会社だったが、経営悪化により90年代からBMWの傘下に。再スタートを切った後で登場した最新モデルがファントムだ。掲載台数は7台で、価格帯は1890~3960万円 ▲ロールスロイスは英国の会社だったが、経営悪化により90年代からBMWの傘下に。再スタートを切った後で登場した最新モデルがファントムだ。掲載台数は7台で、価格帯は1890~3960万円

くしくも、日本の近世の礎を築いた3人にオススメの車がすべて輸入車になってしまったが、当時の甲冑などでは南蛮風も流行っており、意外に洋風を好む大名は多かった。ということで、ご容赦いただきたい。

text/コージー林田