スズキ スイフト【モデル概要編】
2007/12/07
欧州車のテイストあふれる
スタイリッシュコンパクト
●コンセプト
欧州テイストがあふれるルックス&走行性能
スズキが世界の小型車市場へ本格的に進出するため、すべてを専用設計とした渾身の一台が2代目スイフトだ。担当デザイナーをイタリアに駐在させ、欧州生活を通じて感性を磨かせる一方、欧州の一般路を徹底的に走り込むことによって、走行性能も十分に鍛え上げている。専門家からも高い評価を受けており、RJCカー・オブ・ザ・イヤーや日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞MOST FUN賞をはじめ、各国で合計18の賞を獲得。モータースポーツ界においても、2007年の世界ジュニアラリー選手権ではドライバーズタイトルに輝いた。
オーソドックスな5ドアハッチバックボディをもち、十分な実用性を確保。そのうえで、ベーシックグレードでも欧州車的に引き締まった小気味のよい操縦性能を見せる。ベテランドライバーの要求にかなうのはもちろん、初心者が運転する楽しさを覚えるにも最適な一台だ。
●メカニズム
4種類のエンジンにMTやCVTなどを用意
スイフトには、特別な電子デバイスは使われていない。近代コンパクトカーの基本的メカをしっかりと作り込んで、高い性能を確保する手法も欧州的だ。
エンジンはガソリン直4。1.3Lと1.5Lの2機種でスタートしたが、スイフトスポーツのデビューを機に1.6Lのハイオク仕様を追加。H19年のマイナーチェンジでは1.2Lの低燃費エンジンが追加されている。
トランスミッションは4ATと5MT。さらに1.2Lエンジン専用のCVTを用意。駆動方式はFFがメインで、ビスカス式の4WDが1.3L車と1.5L車に設定されている。
サスペンションはフロントにマクファーソンストラット、リアにはツイストビーム式という設定。ブレーキはフロントがベンチレーテッドディスク、リアがドラム式となっている。このほかイモビライザー(盗難抑止警報装置)が全車に標準装備。これはクラス唯一だ。
●エクステリア&インテリア
骨太な印象の外観と落ち着きのある内装
エクステリアのデザインテーマは塊感。個性豊かな欧州車群に埋没しないことはもちろん、石畳や重厚な石造建築が立ち並ぶ欧州の風景にも力負けしない存在感を出すために、面の張りを大切にしたという。力強いショルダーラインと張り出したフェンダーフレアにより、踏ん張り感のある下半身を実現。一方で、A、Bピラーをブラックアウトし、水平の流れを切らないスピード感を巧みに演出している。
インテリアはブラック&メタル調のモノトーンで、シンプルで落ち着きのある雰囲気。奇をてらったデザインではなく、質感の高さは従来のスズキ車のイメージを一掃するものだ。
シートはヨーロッパ人の体格を考慮した大柄なもので、クッションは適度に硬い。後席は居住性が高く、大人の長時間使用にも十分堪えられる。背もたれは6:4分割で、前倒しが可能。さらに座面を持ち上げれば、フラットなラゲージが出現する。
●インプレッション
ハンドリングは手応え十分路面追従性の高さも魅力
グリップがやや太いステアリングホイールと、国産車の割に大きめの操舵力は、明らかにこれまでの国産コンパクトカーとは異なるテイスト。ステアリングから伝わる路面の情報量は豊富で、操舵力の変化を受けて容易にグリップ状態が把握できる。
低速域の乗り心地が硬く感じるあたりも欧州車的だが、よほど荒れた路面でもない限り不快というほどではない。コーナリング中、ロードホールディングが非常に良いのも好印象だ。
動力性能は1.3Lでも十分。特に5MT車はトルクバンドを維持して走れば、十二分にスポーツ気分を堪能できる。
バイヤーズガイド
■狙い目グレード
流通量が豊富で相場がそれほど高くない年式は?
初期の物件が極端に少ないスイフト。流通量が豊富となるH18年式でも相場はそれほど変わらないため、予算が少ない人でもこの年式で探すのが手っ取り早い。特に、1.3XGは流通量が豊富でオススメ。走行性能をとことん追求したいなら、やはりスポーツを。可能であれば物件数の多いH19年式から選びたい。H19年5月の改良を受けながら未走行というものも意外に多いため、出会えれば買い得感が高まるはずだ。
■購入時のチェックポイント
前オーナーの乗り方を想像しながら確認しよう
リコール情報で特に対象台数が多いのは、燃料ポンプの不具合だ。これは、H16年10月からH17年5月の間に生産された車両の一部に見られる現象。最悪の場合、エンストして再スタートができなくなる恐れもあるので、対象車両は整備手帳で対策品に交換されているかを確認。また、特にスポーツは激しい走行に使われていた可能性もある。店頭チェックの際はできる限り試乗して、異音や振動がないかを確認しよう。
↑ヘッドランプからリアまで流れるショルダーラインが、力強い骨格を表現。大きく張り出した大径タイヤとフェンダーにより、安定感も与えられている
↑リアコンビランプは、フロントからのショルダーラインに連続性をもたせたデザイン。緩やかなカーブと平面を組み合わせたテールゲートも特徴的だ
↑インパネは、低く設計した上に前面をカーブさせたことで、開放的な印象。メーターにシルバーリングを施すなど、スポーティさもアピールする
↑新開発のプラットフォームにより、高剛性ボディを実現。旧型に比べ、ねじり剛性は1.3倍、曲げ剛性は2.3倍にアップし、安定した走りをかなえた
↑トルクフルな走りが好みなら、スポーツがオススメ。サスに専用チューンを施しながらも、乗り心地は良好だ
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