▲筆者が過日購入した、そこそこ高額なスニーカーとカバン。その使い心地や肌触りの良さに感激した筆者は「これからは車を含め、身の回りのモノはすべて高額品にする!」と決意したが……? ▲筆者が過日購入した、そこそこ高額なスニーカーとカバン。その使い心地や肌触りの良さに感激した筆者は「これからは車を含め、身の回りのモノはすべて高額品にする!」と決意したが……?

高級スニーカーはある意味簡単に買えるけど、「高級新車」は?

過日の自分は、まな板としては超高級品と言って差し支えないだろう「双葉のイチョウまな板」を購入した。約8000円と、近隣のスーパーで買うまな板の推定8倍は下らぬ価格だったが、そのビジュアルと使い心地に大満足し、自分にとってイチョウまな板はもはや絶対に手放せない存在と化している。

それに気を良くした自分は、このたび業務用のカバンとズック靴もそれなりのモノに新調することにした。オロビアンコなるイタリー国カバンメーカーの迷彩柄別注品と、ご存じNew BalanceのMADE IN U.KなM576。写真上の両アイテムである。

価格はそれぞれ税込みで前者が約3万1000円、後者が約2万6000円であった。富裕層さんにとってはどちらも「安っ!」と感じる価格なのだろうが、自分のような一般人の感覚からすると「布のカバンで3万円超、ズック靴で2万5000円超」というのはウルトラ高額だ。そしてウルトラ高額なだけあって、そのたたずまいと使い心地は大変素晴らしく、ひたすら感動の毎日を送っている。

冒頭で申し上げたイチョウまな板もそうなのだが、やはり「いいモノ」はいい。より具体的に言ってしまえば「高いモノはやっぱりイイ」という、身も蓋もない現実についての話である。

(自分としては)高額なカバンとズック靴の購入でさらに気を良くした筆者は、「うむ。これから身の回りのモノはおおむねすべて、高額品であつらえることにしよう」と決意した。高額品を大量に買ってしまっては大変だが、たまにチョボチョボ買うのであれば大勢と財政に影響はないはずだ。

そんなこんなを考えつつ脳内で気分良く電卓を弾いていた自分は、しかしとんでもない思い違いをしていたことに気がついた。

車はどうするつもりなのだ!!!!!!?

「値落ちの速さ」と「品質劣化の遅さ」をアービトラージする

カバンやズック靴程度なら、いわゆる高額品といってもたかが知れている。しかし車、特に輸入車だけはいかんともし難い。もちろん輸入車は数年に一度ぐらいのペースで買うものだが、数年に一度とはいえ、そのたびに世界の一級品を500万円以上、あるいは1000万円以上で買っていては身がもたない。

しかし同時に思い出しもした。「中古車という強い味方があるじゃないか」と。

マンションなどもそうだが、輸入車は新車として買った途端(登録した途端)ズドンと大きく値落ちする。ごく一部の希少モデルを除き、初代オーナーが気の毒になるほど市場価値が下がってしまうのが一般的なのだ。しかし車は運輸局に登録した途端、機械としてのコンディションがズドンと激しく劣化するわけではない。もちろん初代オーナーの乗り方や扱い方にもよるが、基本的には車のコンディションというのはズドンとではなく、緩やかに劣化していくものだ。

この「市場価値がズドンと下がる」と「コンディションは緩やかに劣化する」という狭間でのアービトラージ(いわゆるサヤ取り)こそが、比較的高年式な輸入中古車を買うことの本質である。世の中には極端な「処女信仰」をお持ちの人もいるが、もしもそういった信仰がないのであれば、高年式輸入中古車のアービトラージは最高にオトクな行為の一つである。

ということで今回のわたしのオススメは新車時価格より軽く100万円以上は安い、「250万円以下/2009年式以降/走行4万km以下」という条件を備えた、いわゆる人気高年式ヨーロッパ車だ。

「高年式車ってのは2009年式以降/4万km以下とかじゃなくて、2012年式以降、2万km以下ぐらいだろ!」という意見もあると思う。それはまさにそのとおりなのだが、そういった本格アービトラージにはそこそこ大きな資金が必要なものだ。具体的には2012年式BMWアクティブハイブリッド5は、走行1万km程度の物件が新車時より軽く300万円以上は安く購入できる超オススメのアービトラージ素材ではある。しかし、結論としてやはり高いは高い。だがここで筆者が紹介している物件であれば、ほとんど国産車並みの資金で、まずまず効果的なサヤ取りが行えるだろう。そういった意味でオススメなのである。

▲新車時は車両価格だけで395万円だったボルボV60のDRIVeだが、2012年式の中古車であれば様々なオプションが付いて総額250万円ほどでイケるはず。絶好のアービトラージ用素材の一つだ ▲新車時は車両価格だけで395万円だったボルボV60のDRIVeだが、2012年式の中古車であれば様々なオプションが付いて総額250万円ほどでイケるはず。絶好のアービトラージ用素材の一つだ

▲新車時900万円オーバーだったBMWアクティブハイブリッド5は、ほとんど新車のような中古車が総額600万円前後でイケる狙い目の存在だが、600万円というのは誰もが簡単に払える金額ではない ▲新車時900万円オーバーだったBMWアクティブハイブリッド5は、ほとんど新車のような中古車が総額600万円前後でイケる狙い目の存在だが、600万円というのは誰もが簡単に払える金額ではない

text/伊達軍曹