伊達軍曹「空冷ポルシェ購入へ向かい突撃すべし!」
カテゴリー: クルマ
タグ:
2014/06/19
相場が落ち着くのを待っているうちに日本から空冷911が消えてしまう?
ユーロ高により欧州のバイヤーが日本の空冷911に大注目
空冷ポルシェ911の中古車相場が高騰している。筆者の勘ピュータによれば、2年ほど前までは「走行少なめのの5MT、修復歴なしの物件でだいたい300万円台半ば」というのが、89年から93年まで販売されたタイプ964の平均的な価格だった。それが今、当ページ下部の物件リンクを踏んでみればわかるとおり、平均的な価格はざっくり400万円台半ば。この2年で100万円ほどカチ上がったことになる。
相場高騰の原因は、主に「欧州勢による買い」だ。筆者の独自取材によれば今、ユーロ高・円安を背景に多数のヨーロッパ人バイヤーが(日本人ブローカーを通じて)日本のタイプ964を買い漁っている。
2012年6月に1ユーロ=100円前後だった為替レートは、1年後の2013年6月には126円前後となり、直近の2014年6月は140円弱で推移している。2年前は3万ユーロ出しても300万円の物件しか買えなかったが(※話を単純化するため輸送費や税金などは省いて考えてます)、今や同じ3万ユーロで420万円のブツが買えてしまうのだ。円安の今、ヨーロッパ人にとって日本の好条件空冷911は、文字どおりの「お宝」なのである。
こういった欧州勢の「買い」により、仕入れ相場も販売価格も高騰してしまった空冷911については、日本の販売店も対応を苦慮している。
「もっと買いやすい値段で店頭に出したいけど、とにかく仕入れ値が上がっちゃってるんでそうもいかないし、あんまり高いとお客さんも、考えます……って言って帰っちゃうし。ホント困ったもんですよ(都内の某専門店スタッフ談)」
本当に欲しいなら今のうちに買っておくほかない
こうなってくると、空冷ポルシェ911はいわゆる「買い時」を見極めるのが非常に難しくなってくる。もう少し待てば欧州勢の買い攻勢も止み、相場は落ち着くのかもしれない。しかし、そうはならずこのままカチ上げが続き、「あのとき買っておけば良かった…」と後悔するのかもしれない。こればっかりは株や為替のレートと同じで、未来を100%正確に予想できる者は誰一人としていない。
一つだけ確かなのは、「こうしている間にも、良質なタイプ964の数は減少している」ということだ。あるものは経年劣化により“良質”とは言えない水準に落ちていき、またあるものは海外バイヤーによって日本の地を離れていく。
判断は難しいところだが、「親孝行、したい時には親はなし」ということわざのように、「911、欲しい時にはブツはなし」という、男の人生にとって最悪の事態を避けるためにも、高値を承知で突撃するしかない……と、筆者は考えている。そして空冷911(の良質MTフルノーマル系)には、それだけの価値があるとも思っている。経験としても、投資としても。
ということで今回の伊達セレクションはずばり「突撃するしかない(?)ポルシェ911(タイプ964)の5MTモデル」だ!
ほぼ無改造で走行距離少なめ、そしてATではなく5MTのポルシェ911(タイプ964)は、この2年で100万円ほど相場が高騰。この勢いはいつまで続く?
こちらは89年まで販売された「タイプ930」。これちらも絶賛高騰中で、タイプ964のみならずタイプ930も高騰の対象となっているようだ
筆者の個人的予想では、ポルシェ911のタイプ964は、今後、ナローこと初代911(写真上の左)のように「高価なクラッシックカー」的な立ち位置になる
【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中