ご存じのとおり、今年3月に三菱 ランサーエボリューション(以下、ランエボ)の生産終了が発表されました。21年間、日本を代表するスポーツカーの1台として世界中のファンを魅了してきたモデルだけに、衝撃をうけた方も多いでしょう。中には「一度は乗ってみたかった」という方もいると思います。というわけで、そんなランエボの“おいしい”中古車をご紹介いたします。

まずは簡単に車のおさらいを。ランエボは三菱の大衆向けセダンをベースにしたハイパワーモデルで、FIAのホモロゲーション(承認)取得のために誕生。しかし、あまりの人気ゆえに「続編」が今まで投入されてきたんです。海外では「日本=ハイテク」のイメージが浸透していますが、ランエボはまさに“ハイテクの塊”。チューニングカーのベース車両としてのポテンシャルの高さも、多くの人を魅了した理由にひとつでしょう。

さて、ここからが本題です。自動車史に名を残すような車は、絶版になると値上がりする傾向にあります。ランエボの場合、どのモデルも値上がりしそうですが、特に「最初と最後」、つまりランエボ I (1992年10月~1993年12月)とランエボ X (2007年10月~)は要チェックです。とは言っても、すでに I は激レアで、カーセンサーnetでは原稿執筆時点(2014年4月20日現在)での流通台数はゼロ。もはや「見つけたら即買い!」状態です。

最終モデルはおもしろいことに生産中止のニュースと時を同じくして、流通台数が一気に20台以上増えました。まだ流通台数が多く、今のところプレミアム価格はつけられていません。100万円台後半から予算に応じて、様々な程度の車両が狙えます。6年前のデビューですから、まだまだ走りは現役。きちんとチューニングすれば、そのパフォーマンスはトップクラスのスポーツカーに勝らずとも劣りません。

人気モデルも当然、今のうちに狙ったほうがいいでしょう。ファンに人気のモデルといえば、やはりVIトミーマキネンエディション(2000年1月~2001年1月)。WRCでトミー・マキネンによる快進撃が目立った頃のモデルです。この代で「ランサー」ベースのランサーエボリューションを終了し、以後「ランサーセディア」にベース車を移行したことも、ちょっとした話題になりました。こちらも100万円台で狙えます。

逆にすでにオトクなモデルもあります。中古車市場では、不人気なVII GTA(2002年2月~2002年12月)です。従来、MTしか設定されていませんでしたが、顧客の間口を広げるためにATを搭載。ハイパワーモンスターというヤンチャなキャラクターからの脱却を目指し、“大人なランエボ”を投入したんです。結果的にコレは短命に終わりました。ただ、今となっては「100万円以下で狙える」、「誰しもが気軽に乗れる」という点でオススメです。

「ほしい」と思っていたものの、縁がなくこれまで乗ることができなかった方。オトクに手に入れたいなら、生産されている間に買ったほうが良いでしょう。今後のランエボの動向に加えて、その中古車市場の動きもご注目ください。

ランエボ I はコンパクトセダンの「ランサー」にギャランVR-4から受け継いだ2L 直4DOHCターボエンジンを搭載。最高出力は250psです

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10代目には、安全性と走破性が向上した4WDシステム「S-AWC」、俊敏な変速を行う2ペダルMT「TC-SST」など最新技術が採用されています

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こちらは、WRCのチャンピオンに輝いたトミーマキネンの名前を冠した「VI トミーマキネンエディション」。とても人気が高いモデルです

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オトク感満載のATモデル「GT-A VII」。公道ユースを重視したエンジンとINVECS-II スポーツモード4ATが組み合わされています

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