値下がりするのを待ってもムダだということがわかりました!

人気のV8モデルは天変地異が起こっても下がらない?

富裕層の方々にとってフェラーリとは「ただ欲しいときに買うもの」なのだろうが、筆者のようなパンピーにとって、フェラーリとは一世一代のお買い物、男の大勝負である。赤ペンなめなめ相場動向を完全に見極め、「ここぞ!」というタイミングで冷や汗をかきながら買うことになるはずだ。

昨今、消費税増税のからみで消費の冷え込みが喧伝され、そのためモノの値段(本体価格)が全般的に下がっているとも聞く。ということは、もしかしたら中古フェラーリの相場も下がっているのかもしれない。となれば今こそが中古フェラーリの買い時であり、男の大勝負をかけるタイミングなのかもしれない。

しかし、あいにく筆者はフェラーリについてさほど詳しくないため、よくわからない。そこで識者の意見を聞いてみることにした。お聞きしたのは大乗フェラーリ教なる宗教(?)を主宰している特種モータージャーナリスト、MJブロンディ氏である。

で、MJ氏いわく、筆者のようなパンピーでもギリギリ狙える「1000万円以下クラス」のV8フェラーリは、たとえ天変地異があろうともほとんど下がらないだろうとのこと。

「308や328は可憐なスタイルとサイズが再評価されて絶賛高騰中ですし、一番人気のF355は良質なタマが減少傾向にあるため、たまにステキな個体が市場に出るとかなりの値段が付いてしまいます。これらの傾向は中長期的に続きそうですから、このあたりのV8フェラーリは今後、何かのきっかけで上がることはあっても、下がることはたぶんないですね」

リーマンショック級の何かが起きれば確かに下がるだろうが……

なるほど……。では(筆者にはあんまり関係ないが)1000万円超級のV8フェラーリはどうなのか?

「そちらは下がる余地アリでしょう。現在の相場が約1500万円であるF430は『庶民は手が出しにくい金額だが、富裕層からは見向きもされない』という微妙なポジションにありますので、今現在も相場は下落傾向です。458イタリアは人気が高いためなかなか下がりませんが、“何か”があれば200万円ぐらいは一気に下がるかもしれません。実際、2008年のリーマンショックの際は当時の360モデナがいきなり200万円ほど下げましたからね」

“何か”というのは、世界恐慌の引き金になりかねない経済危機ということか……。例えば中国経済が何らかの理由でクラッシュする、とか。

以上の話をまとめると、次のようになるだろう。

「1000万円以下の人気V8フェラーリは(たぶん)半永久的に下がらない。そして1000万円超級のモノはドカンと下がる可能性はあるが、ドカンと下がったときは自分のフトコロも(たぶん)ドカンと恐慌状態に陥っているため、フェラーリを買うどころの騒ぎではない」

……ということで結論は、筆者のようなパンピーも結局、変に相場的タイミングを窺うのではなく、富裕層の方々と同じで「ただ欲しいときに買う」しかないようだ。跳ね馬は、待っていても近づいてきてはくれない。自分の中の何かが本当に熟したとき、思いの丈が決壊しそうになったとき、自分から近づいていくほかないのだ。

ということで今回の伊達セレクションはずばり「1000万円以下級のV8フェラーリ」だ!

最新世代のフェラーリではあり得ない小ぶりで可憐なサイズが再評価され、100万円級の値上がりを見せているフェラーリ328。308も同様に高騰中

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非富裕層なフェラーリ愛好家からはいまだ一番人気のF355。コンディションの良い物件が減少傾向にあるため、平均価格は50万円ほど上がっている

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2008年のリーマンショックの際は200万円級の暴落となった360モデナ。もしもリーマン級の何かが起こったら今度は458イタリアが暴落するのか?

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【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE