【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、ヴィンテージ趣味を勧める
カテゴリー: クルマ
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2014/04/08
「ちょっと古い車生活」はドイツ車から始めるのが何かと安心です
「ヴィンテージ輸入車」の(勝手な)定義
「ヴィンテージ」という言葉には何やら細かな定義もあるようだが、世間一般でヴィンテージとは「言ったもん勝ち」の世界である。最近では、かなり古いゆえに敬遠されがちなマンションを「ヴィンテージマンション」と勝手に称すことで付加価値を与えている例も散見される。
言ったもん勝ちということで、1980年代から90年代前半ぐらいの輸入車のことを筆者が勝手に「ヴィンテージ輸入車」と称してもバチは当たらないだろう。
さまざまな国で製造されたさまざまなヴィンテージ輸入車が今なお多数流通しており、好事家も多い。ベテラン好事家さんたちは筆者の意見など聞く必要はなく、どれでもお好きなものを買えばよろしいわけだが、これからヴィンテージ輸入車の世界に突撃してみたいというビギナーさんには一つだけアドバイスを差し上げたい。
まずはドイツ物から始めてみるのが良いかと。
それは何も「ドイツ製=強固で緻密で壊れにくい」「その他製=テキトーな作りなので壊れやすい」とか、そういったシンプルな話ではない。ドイツ製=強固で緻密というのは傾向としてあるのかもしれないが、このあたりの年式になると、そういったそもそも論よりも「で、歴代オーナーやショップによる扱われ方はどうだったか?」というほうが重要であるため、製造国がどこであったかはあまり関係ないのだ。
そうではなく、ドイツ製ヴィンテージ車は単純に「専門店の数も手頃なサードパーティ製部品の数も、とにかく多いから」というのが、ビギナーさんにオススメしたい理由だ。
ドイツ物なら多数ある専門店に丸投げが可能
例えば希少なフランス製ヴィンテージ車であっても、ごく少数存在する専門店の世話になったり、あるいは英語やフランス語を駆使して海外ネット通販で部品を入手し、自分で取り付けるなどすれば、維持はある意味簡単である。実際、そうやってマニアックなシトロエンなどを楽しんでいる人も多い。
しかしドイツ物ヴインテージであればそこまでやらずとも、言葉は悪いが近隣の専門店に丸投げするだけで、クラシカルなデザインと味わいをフツーに楽しめるのだ。メジャーな分野ゆえパーツの類も豊富である。純正品に対するこだわりがさほどないのであれば、安価な国産車用パーツを加工して流用してくれる専門店もあったりするので、その気になればさほどお金をかけずにヴィンテージ生活を送ることも可能だ。
ということでご興味があるならまずは下記物件リンクをご覧いただき、割と気軽なノリで、空冷ポルシェ911でも往年のメルセデスでも何でも探し、そしてしばらくの間乗ってみることをオススメしたい。そのうえで数年後、洒落たフランス産ヴィンテージの世界に旅立つも良し、伝統の英国旧車趣味の世界に没頭するも良し、である。もちろん、そのままドイツ製ヴィンテージの世界を極めるのもアリだろう。
ということで今回の伊達セレクションはずばり「ヴィンテージ趣味のための入門車」だ!
1976年から1985年まで販売されたメルセデスのW123(写真はワゴンなので正確にはS123)。専門店も愛好家も多い、入門には最適な車の一つ
こちらはBMWの歴代3シリーズ。ヴィンテージ入門に適しているのは手前のE30型(2代目3シリーズ)か。一番奥の2002(オレンジ色の車)もシブいが
専門店の数でいえばもっとも多いのが空冷ポルシェ911か。オイル漏れは付いて回るが、対応ノウハウも確立されているので過剰な心配は不要だ
【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中