誰しもいつかは乗りたい「憧れの車」があると思います。そんな高根の花も、中古車になればぐっと身近な存在になります。今回は、そういった中古車の本質ともいうべきおいしさが味わえる1台、メルセデス・ベンツ Sクラスをご紹介します。

泣く子は黙りませんが、少なくとも大人は黙るメルセデス・ベンツの頂点に君臨するモデルがSクラスです。そんなフラッグシップの現行型が登場したのは2005年10月のことでした。

今さらSクラスの何が優れているかを語るのもやぼな話ですが、デビュー当時のエンジンは3.5L V6と5.5L V8の2種類。そこにS600ロングに搭載される5.5LのV12が加わっています。ミッションは「7G-TRONIC」と呼ばれる7ATを搭載。V12モデルは5ATとなっています。

近年、高級車の多くがダウンサイジングを図り、大排気量エンジン搭載車は減少傾向にあります。地球環境を考えれば当たり前の話ですが、車は実用性がすべてではありません。エンジンのサウンドや味わいといった嗜好性の高い乗り物でもあります。

とはいえ今後は大排気量エンジンを中心に、Sクラスのような“この車でしか味わえない魅力”を備える車は少なくなるでしょう。それだけに、V8やV12までラインナップする現行型Sクラスはとても貴重な存在でもあるのです。

そんなSクラスに、いよいよ200万円を切る中古車が登場してきました。デビュー時は諦めていた存在でも100万円台で買えるとなれば話は別でしょう。その中古車はV8エンジンを搭載したS500ロングで、修復歴なし+走行距離12.2万kmで198万円でした(5月6日現在)。

なんと当時の新車価格は1396.5万円もしました。ただ、100万円台で見つかったのはたったの1台のみ。相場のボリュームゾーンはまだまだ400万円台というのが実情なので価格重視の方はお急ぎを! ただ、流通量は全国で500台近くあるので、多少お金に余裕のある方は、じっくり腰を据えて吟味すれば、好みに合った1台が見つけられるはずです。

Text/金子剛士

エクステリアは、丸みを帯びたヘッドライトを採用していた旧型とは異なるシャープなデザインを採用。大ぶりなオーバーフェンダーも特徴のひとつ

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見た目の華やかさだけにとらわれず、素材の良さなどでシンプルに質感の高さを印象付けるインテリア。飽きることのない高級感を演出する

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カバーがあっても圧倒的な存在感を放つエンジン。このモデルに搭載されるV8やV12はダウンサイジングモデルにはない味わいをもつ

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