尖りを感じさせる個性派が勢揃い!

一般的に「絶版車」とは生産を中止してモデル名が存続していない車を指しますが、今回は生産を“終了”したモデルを含めています。あの頃は凄かった、と言えるような自動車メーカーの歴史を感じさせるモデルをピックアップしてみました。昨今、グローバル化やエコ、デフレなどの影響を感じさせる車が多いなか、個性派は今のうちに狙っておくべきかもしれません。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。


第10位はシトロエンXM(絶版)。数台程度しか流通していないレア車となってしまったXM。かつてのフランス最高級車です。いまだにシトロエン車には唯我独尊な雰囲気が漂っていますが、XMの頃が最も顕著でした。最近はグローバル化の名のもとに、段々と消費者のニーズに応えているように感じます。不気味なまでに直線基調のスタイルで、今も昔も相当な個性派です。ハイドロニューマチックサスペンションがもたらす乗り味、ハマれば永遠にハマります。


第9位はマセラティ3200GT(絶版)。スーパーカーが200万円台から狙えること自体、奇跡と言ってもいいでしょう。信頼性は決して高いとは言えませんが、官能的なエグゾースト音と爆発的な加速力は一度味わうと病みつきになるでしょう。直線でアクセルを踏み込むとドリフトしてしまうんです。「バランスが悪い」のは事実ですが、そんなエッジーな部分が昨今の車にはない魅力でもあります。予算ギリギリで狙わず、修理を見越した予算で狙うと吉。


第8位は三菱プラウディア(絶版)。三菱が意地で高級車を作った! とは言い過ぎかもしれませんが、それほどの意気込みを感じさせるものでした。しかもリアの居住性を重視してFFを採用しながら、当時としては新技術だったGDI(直噴)エンジンを搭載してきました。高級車に直噴エンジンの組み合わせ、振動の問題から当時は難しかったそうです。そういう観点でとらえると、三菱の歴史に残る車です。流通台数も少ないですから、今がラストチャンス!


第7位はマツダロードスター(初代)。2シーターオープンライトウェイトスポーツという瀕死だったカテゴリーを復活させた名車です。現在もロードスターは存続していますが、モニュメンタルな一台だったということで初代を選出しました。手を入れ続けるかぎり、いつまでもリーズナブルに乗れそうな点もステキです。「人馬一体」というコンセプトは伊達ではなく、マツダにいるエンジニアたちの偏執的なまでのこだわりを感じさせてくれます(笑)。MTでぜひ!


第6位はトヨタセルシオ(初代)。デビューした20年前、セルシオは世界の高級車メーカーを震撼させたと言って間違いありません。抜群のNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)対策は、今のレベルでもかなりのものです。"外界"との遮断を批判する声もあるのは事実ですが、これぞトヨタが考えた高級感です。乗るたびに“凄かったんだなぁ”と思わせてくれます。そんな車も輸出人気なのか、流通台数は急減。一度は味わいたい、日本の誇りです。

Report / 古賀 貴司