THE!対決

PART6 タフギア対決

Report/編集部 Photo/尾形和美
スバル フォレスター
スバル フォレスター カーゴレール&フック+カーゴサイクルキャリア|THE!対決
↑3代目で高級志向に路線変更したフォレスター。だがアウトドアユースにも対応できる装備も用意されている。ただエクストレイルを前にすると、どうしてもパンチの弱さが目立ってしまう
スバル フォレスター 撥水シート|THE!対決 スバル フォレスター カーゴフロアマルチボックス|THE!対決 スバル フォレスター クリアビューパック|THE!対決
日産 エクストレイル
日産 エクストレイル ウォッシャブルラゲージアンダートレイ|THE!対決
↑高級感を演出する装備は少ないが、代わりに道具としてとことん便利に使える装備が充実しているエクストレイル。この割り切りが道具としての性能を高めている
日産 エクストレイル ウォッシャブルラゲージボード|THE!対決 日産エクストレイル ウォータープルーフインテリア|THE!対決 日産 エクストレイル ポップアップステアリング|THE!対決

高級感とSUVらしさを両立したフォレスター

国産車、輸入車問わずクロスオーバータイプのSUVがブームと言われるようになって久しい。多くはオンロード走行を意識した乗用車ライクな乗り心地が魅力のモデル。

ではなぜセダンなどではダメなのかというと、荷物が積めるという利便性以外にSUV特有の“アクティブさ”に魅力を感じているからだとリポーターは考えている。

またたくさんの荷物を積んで出かけるのならミニバンという選択肢もあるが、こちらにはどうしてもファミリィの匂いがつきまとう。SUVであれば出かける相手が同じファミリィでも、ミニバンよりもアクティブな自分(個人)を演出できるのだ。

海や山へと頻繁に出かける人はもちろん、年に数回(あるいは1回行くか行かないか)という人にも受け入れられたSUV。もちろんオンロード性能や高級感は重要だが、この手の車ではどれだけタフに使えるかというのも重要なファクターだ。この章では装備類を中心に、両車のタフギアとしての性能を見て行こう。

まずはフォレスター。旧型まではステーションワゴンのような低めのスタイルにアメリカン・マッスルカーのようなハイパワーターボという独自の道を歩んできたが、現行型になりその路線は大きく変わった。ボディを大型化し、いわゆる高級SUVとしての存在感を高めた。それに伴い装備類も高級志向のものが多くなっている。室内のイルミネーションや今回の試乗車に装備されていたレザーシートなどはその代表的なものだ。

SUVとして撥水シート(XS、XTに標準装備)や荷室を便利に使うオプション類がきちんと用意されているのはうれしい。地味だがアウトドアシーンで重宝しそうなのはヘッドランプウォッシャーとクリアビューパック(XS-PL、XT-PLに標準装備。それ以外のグレードでメーカーオプション)。

様々な気象条件の中で視界を確保するための装備なのだが、なかでもワイパーの凍結を防ぐデアイサーとヒーテッドドアミラーはアウトドアシーンでかなり重宝するはずだ。

タフギアとして徹底したこだわりを見せるエクストレイル

一方のエクストレイルは存在自体がタフギアである。ウインタースポーツやマリンスポーツをとことん楽しみたい若者に向けてタフに使える“道具”としての車を手に届きやすい価格で提供するというコンセプトは、結果的に若者以外にも受け入れられて大ヒット。その考えは現行型にも継承されている。

汚れないように気を使いながら乗るのではなく、汚れたら洗えばいい。取り外し可能なラゲージボードやウエットスーツと同等の防水性能を誇るシートはあらゆるアウトドアスポーツを楽しむ人にとって本当に便利な機能。それだけでなくフロアや天井まで防水加工(撥水ではないところがミソ!)を施すほどのこだわりをもっている。

またアウトドアスポーツでは車内でウエットスーツやスノボのウェアなどに着替えをすることが意外に多い。荷物を持って更衣室まで行くのはかなり面倒なのだ。大勢で出かけた場合など、後部座席はまだいいが、運転席で着替えるというのはステアリングが邪魔でかなり大変なもの。そんなときにステアリングをバコッと上げて運転席を広くできるというのは脱帽もののアイデアだ。

エクストレイルにはアウトドアシーンにおいて、こんなのがあったらいいのに・・・と感じていた、かゆいところに手が届くような装備が豊富に付いている。それが結果的にタフギアとしての性能を高めているのだ。 
今回のまとめ
タフギアという切り口で車を見た場合、フォレスターに限らずほとんどの車がエクストレイルにかなわなくなってしまう。その意味ではフォレスターには不利な対決だった。エクストレイルはアウトドアで使える本格的な機能を満載し、かつそれが低価格で買えるというG-SHOCKのような存在。ファンが多くいるのもうなずける。
今回のテスト車両
スバル フォレスター フロント|THE!対決
スバル フォレスター リア|THE!対決
スバル フォレスター インパネ|THE!対決
■スバルフォレスター
・テスト車両
2.0 XT(4WD)
257.25万円
・駆動方式
4WD
・トランスミッション
4AT
・全長×全幅×全高
(mm)
4560×1780×1675
・ホイールベース(mm)
2615
・車両重量(kg)
1480
・最小回転半径(m)
5.3
・乗車定員(人)
5
・エンジン種類
水平対向4ターボ
・総排気量(cc)
1994
・最高出力
[kW(ps)rpm]
169(230)/5600
・最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
319(32.5)/4000
・使用燃料
無鉛プレミアム
・燃料タンク容量
60L
・10・15モード燃費
(km/L)
13.0
・タイヤサイズ
225/50R17

日産 エクストレイル フロント|THE!対決
日産 エクストレイル リア|THE!対決
日産 エクストレイル インパネ|THE!対決
■日産エクストレイル
・テスト車両
25S(4WD)
230.1万円
・駆動方式
4WD
・トランスミッション
CVT
・全長×全幅×全高
(mm)
4590×1785×1685
・ホイールベース(mm)
2630
・車両重量(kg)
1530
・最小回転半径(m)
5.3
・乗車定員(人)
5
・エンジン種類
直4DOHC
・総排気量(cc)
2488
・最高出力
[kW(ps)rpm]
125(170)/6000
・最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
230(23.5)/4400
・使用燃料
無鉛レギュラー
・燃料タンク容量
65L
・10・15モード燃費
(km/L)
11.6
・タイヤサイズ
215/65R16