THE!対決

PART2 使い勝手が優れているのはどっち?

Report/島崎七生人 Photo/奥隅圭之
マツダ アテンザスポーツワゴン
マツダ アテンザスポーツワゴン 運転席|THE!対決 マツダ アテンザスポーツワゴン 後席|THE!対決
↑床からシート座面までの高さがたっぷりとあり、背もたれが心地良く立ち気味なのも、快適な着座感をもたらす要因。前席下への爪先の足入れ性もいい。「レガシィよりぜんぜん広い」という声も
マツダ アテンザスポーツワゴン ラゲージ(通常時)|THE!対決 マツダ アテンザスポーツワゴン ラゲージ(2列目格納時)|THE!対決 マツダ アテンザスポーツワゴン リアゲート|THE!対決
スバル レガシィツーリングワゴン
スバル レガシィツーリングワゴン 運転席|THE!対決 スバル レガシィツーリングワゴン 後席|THE!対決
↑ボディサイズから想像されるよりも室内は余裕。セダンのB4に対し、プチハイルーフ化されている恩恵は大きい。ただしCピラーが前進気味で、着座姿勢では顔の横にピラーがくる
スバル レガシィツーリングワゴン ラゲージ(通常時)|THE!対決 スバル レガシィツーリングワゴン (2列目格納時)|THE!対決 スバル レガシィツーリングワゴン リアゲート|THE!対決

ボディサイズの余裕が快適性に直結しているアテンザ

一般にワゴンはベースのセダンに対し、後席のスペースがより恵まれていることが多い。

アテンザもその例に漏れない。もともとセダンでもルーフがキチンと頭上まであり、リアウインドウに頭がさらされないが、ワゴンではさらに天井の圧迫感のなさが快適。またセダン(や5ドア)と別モノのドアは、窓面積が広い(しかも全開時、窓ガラスが完全に下りる!)ので視界も明るく、窓ガラスがルーフに向かって絞られて(傾斜して)いるが、圧迫感はない。

床からシート座面までの高さがたっぷりとあり、背もたれが心地良く立ち気味なのも、快適な着座感をもたらす要因。前席下への爪先の足入れ性もいい。

スタッフ全員、乗り込むなり「(レガシィより)ぜんぜん広い」の声が。レガシィに対し65mm全幅は広く、その差は室内寸法にもそのまま表われているのが、やはり実感できるのだろう。また後席は「サイドウインドウが広い。レガシィはCピラーが視界に入ってしまうのに」の声も。Cピラーはレガシィよりもかなり後方に位置しており、ガラス面積が広いためだ。

半面、フロントスクリーンの傾斜が強いため、前席では人により圧迫感を感じるケースも。座面を高めに設定するドライバーはなおさらだろう。全体にレガシィよりピラーが太めなのも、設計年次の違いでもあるのだろう。関連して「助手席の高さ調節が欲しい。見晴らしはいいのだが、座面が高く感じる」の指摘もあった。

実用性と居住性が効率的にまとめられているレガシィ

一方でレガシィも、ボディサイズから想像されるよりも室内は余裕。セダンのB4に対し、もともと“プチハイルーフ化”されている恩恵は大きい。ただしCピラーが前進気味で、着座姿勢では顔の横にピラーがくる。ピラーを伝ってくる走行ノイズなどを実感しやすいのは不利な点。また前席下への足入れ性は、アテンザに比べると小さい。

後席も「3人の肩が重ならない。中央席もちゃんとシートベルトが3点式でヘッドレストも付いている」と良心的。強いて言えば、EyeSightの1対のカメラを収めたハウジングが武骨な形状で、アシスタント席(助手席)の乗員には「やや目障り、異物感あり」との指摘があった。

インパネ回りは、両車とも機能的で好感のもてるデザイン&仕上げだ。細かく言うと、左右ドアからインパネを独立させたデザインのアテンザのほうが洗練されていて、かつ横方向の伸び伸びとした広がり感を見た目でも出している。

レガシィはインパネとドアトリムを“つなげる”昔ながらのデザイン手法のため、つなぎ目のアワセ(隙間の大きさ、ズレ具合)がどうしても気になってしまう。とはいえ、ひと昔前のレガシィに比べたら、今の室内の質感レベルは格段の出来。この項目で定評のアウディにも肩を並べる。

アテンザはキーをONにすると、パソコンの起動音のように“Zoom-Zoom”のメロディが耳障りの良い音質の電子音で低く流れたり、サンバイザーの裏にETCユニットを格納させたり・・・と、気の利いた小技も。レガシィでは、音質で定評のあるマッキントッシュのオーディオも用意される。

ラゲージスペースは、両車とも実用ワゴンの代表格ということもあり、なかなかの収容力だ。写真でもおわかりのように、両車とも横方向は1000mmを超える余裕で、箱×3個の横並べが可能。ただしレガシィのほうがスペースを詰めて稼いでいて、アテンザはホイールハウス前方の出っ張り部分がややもったいない。

アテンザは、リアゲートに連動開閉するトノカバーを装備。ワイヤーを使い、モーターなどを不要としたシンプルな構造で、外して床下への格納も可能。アテンザの床板は、立ててパーティションにも使える。レガシィの床板はシンプルな1枚モノで、床下の収納スペースはアテンザより深く、容量も大きい。
今回のまとめ
両車とも実用ワゴンとしての実用性や居住性は十分。しかしここではボディサイズを考慮し、機能を無駄なく突き詰めているレガシィの勝ちとする。
今回のテスト車両
マツダ アテンザスポーツワゴン フロント|THE!対決
マツダ アテンザスポーツワゴン リア|THE!対決
マツダ アテンザスポーツワゴン インパネ|THE!対決
マツダ アテンザスポーツワゴン
テスト車両 25EX
267.0万円
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4765×1795×1490
ホイールベース(mm) 2725
車両重量(kg) 1490
最小回転半径(m) 5.4
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 2488
最高出力
[kW(ps)/rpm]
125(170)/6000
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
226(23.0)/4000
使用燃料 無鉛レギュラー
燃料タンク容量 64L
10・15モード燃費
(km/L)
12.8
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
9.6
タイヤサイズ 215/50R17
※実用燃費のデータはe燃費の提供です
スバル レガシィツーリングワゴン フロント|THE!対決
スバル レガシィツーリングワゴン リア|THE!対決
スバル レガシィツーリングワゴン インパネ|THE!対決
スバル レガシィツーリングワゴン
テスト車両 2.0GT EyeSight
347.025万円
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4680×1730×1470
ホイールベース(mm) 2670
車両重量(kg) 1490
最小回転半径(m) 5.4
乗車定員(人) 5
エンジン種類 水平対向4ターボ
総排気量(cc) 1994
最高出力
[kW(ps)/rpm]
191(260)/6000
最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
343(35.0)/2000
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料タンク容量 64L
10・15モード燃費
(km/L)
13.0
実用燃費 (km/L)
e燃費提供
9.5
タイヤサイズ 215/45R17
※実用燃費のデータはe燃費の提供です