運転する喜び、所有する喜び、新たな発見を!

中古車市場を眺めてみると、昔はスポーツカーがちゃんと売れていたことがわかります。単にスピードを出すのではなく、車の反応を見ながら運転するスポーツドライブ。車との対話って、思いのほかディープで面白い世界です。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。ノスタルジーに浸れるもの、思いのほか実用的なもの、所有する喜びを教えてくれるもの、選り取りみどりです。

第5位は日産シルビア(絶版)。昔は、こういうスポーツカーが売れたんです。風を切り裂いて走るような流線型デザイン、今でもカッコいいです。最高出力250psのターボモデル、最近のターボとは違って利き始めるまでにタイムラグがあります。でもターボを体感できる、という点においては刺激的です。スピードに興味をもって、サーキットを走ったり、チューニングしたり、新しい車世界が広がることでしょう。今の車のような電子制御が少ない分、運転テクニックが磨かれます。

第4位はマツダRX−8(現行)。家族でもスポーツカーを所有できる、というコンセプトだったのだと思います。見かけはクーペなのに大人4名がちゃんと座れて、荷物もそこそこに積めるようにできています。走らせてみるとマツダ開発陣のプライドが感じられます。謳い文句である“人馬一体"感、伊達ではありません。NAロータリーエンジンを市販化できたことも、実は物凄いこだわりなんです。軽量ボディ、理想的な前後重量配分、ステアリング操作に充実なボディの動き、楽しいです。

第3位はアルファロメオアルファ156(絶版)。中でもGTAはスポーティではなくスポーツカー、と呼んでいいでしょう。いずれ値上がりするのでは、と担当者は思っています。インテリアは普遍的な美しさがあり、スーパーカーの雰囲気すら漂っています。いろいろ細かい不満を覚えたとしても、ショートストロークのMTを操って走らせればすぐに忘れさせてくれるほど楽しいです。若干、じゃじゃ馬な雰囲気もあるので、乗りこなせたときの達成感はかなり高いです。安い今こそ狙い時!

第2位はホンダインテグラタイプR(絶版)。時代の流れとともに終わってしまったモデルです。徹底的なこだわりぶりだったのに、新車時価格もリーズナブルなスポーツカーでした。エンジン1L当たり100ps以上です。それだけでもホンダのレース参戦メーカーとしてのこだわりが込められています。それでいてフツーに街中で乗れるフレキシビリティがあります。100万円弱から探せるって海外の人が聞いたら、絶対に驚くでしょう。日本は中古車バイヤーには幸せな国です。

第1位はトヨタMR−S(絶版)。パッケージングはロータスエリーゼとほぼ一緒です。ほぼ同じような重量、パワー、そしてミッドシップ。この価格帯は安すぎます。トヨタの幅広いラインナップからパーツを流用し、立派なスポーツカーに仕上がっています。家族持ちならセカンドカーとして、独り身ならファーストカーとしてリーズナブルにスポーツカーデビューできます。絶対的なスピードは決してバカッ速いわけではありませんが、ライトウェイトスポーツカーとしての資質はピカイチです。

フォトコレクション

写真:第5位:日産シルビア(絶版)|なんでもベスト10

第5位:日産シルビア(絶版)

写真:第4位:マツダRX−8(現行)|なんでもベスト10

第4位:マツダRX−8(現行)

写真:第3位:アルファロメオアルファ156(絶版)|なんでもベスト10

第3位:アルファロメオアルファ156(絶版)

写真:第2位:ホンダインテグラタイプR(絶版)|なんでもベスト10

第2位:ホンダインテグラタイプR(絶版)

写真:第1位:トヨタMR−S(絶版)|なんでもベスト10

第1位:トヨタMR−S(絶版)

Report / 古賀 貴司