中古車ならではの醍醐味を知ることができるスーパーセレクション

中古車相場は需要と供給が支配していますから、どんなに"凄い"車でも値付けは人気次第です。たしかに新車時価格が高級な車ばかりですから部品代はそれなりにしますし、大排気量の車は維持費だって決して安くないかもしれません。でも新車時価格と中古車相場を比較した際の値落ちの大きさや車の見栄えの良さ、そして走りにおける違いなどから「安い」と思えるものばかりを厳選してみました。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はトヨタ ソアラ(絶版)。「優雅さとは何か」を開発陣でトコトン追求して生み出された、最後のソアラです。それまでの優雅さとは一線を画する出来栄えでした。静粛性や振動の少なさはオープンカーであっても当時のセルシオ譲り。灰皿やグラブボックスの開閉スピードにまでこだわっています。太いトルクでドッシリ加速していく雰囲気は、スポーティさよりも高級車らしさを追求したからでしょう。100万円台から狙えるのはバーゲンプライスです。

第4位はランドローバー レンジローバー(現行)。BMW傘下に入りスポーツセダンのようなオンロード性能を得ながら、レンジローバーのレンジローバーたる高級感や優雅さに磨きがかかっています。その後、ジャガー(フォード)、タタと親会社は変遷を経て今日に至っていますが、資本家が代わっただけの話です。大排気量エンジンを搭載していますし、エアサスは定期的なメンテナンスが必要ですが、運転すると"特別な車に乗っている"雰囲気がたっぷり味わえます。

第3位はレクサス LSハイブリッド(現行)。“ハイブリッド”はもちろん、このサイズで、このパフォーマンスを考えればエコですが、新しい動力源としての可能性をレクサスは提案しているように感じます。とてもじゃありませんが、400万円台から狙えるような中身ではありません。個人的にはロングホイールベースモデルでリムジンのような後席セパレートタイプが気になっています。新車時価格2000万円弱でしたから、中古車は破格以外のナニモノでもありません。

第2位はM・ベンツ SL55AMG(旧型)。最大トルク700Nmって・・・、スーパーカーより凄いかもしれません(笑)。事実、フェラーリオーナーが数多く乗り替えたという逸話も残っているほどです。スーパーチャージャーがもたらす強烈な加速や目が飛び出るのではと不安になる強烈な制動力、魔法のじゅうたんのように車体をコントロールする足回り、どれをとってもスーパーカーです。「旧型」となってしまい、いっきに需要が落ち込んだのか中古車はあまりに安くて驚きます。

第1位はアウディ S8(現行)。5.2L V10エンジン搭載ですから税金やガソリン代は決して安くはありません。これからは高効率、小排気量化が進んでいくのでアウディ“最後”の大排気量ウルトラスーパーセダン、と呼んでもイイでしょう。高級セダンなのにスポーツカーの走行性能をももちあわせているって究極の無駄=贅沢です。お金持ちのユーモアで差別化でもあるのでしょうが、とても300万円台半ばから味わえる車ではありません。個人的に欲しい1台です。

Report/古賀貴司