中古車市場にはときめきがイッパイ

車はどんどん便利な道具へと進化しています。誰にでも簡単に、そして安全に運転できるようになっています。と同時に、運転することの楽しさが減りつつあるように感じられます。たとえるなら、自転車から補助輪を外して走るときのあの達成感がなくなっているんです。むしろ車では、補助輪がどんどん追加されているような・・・。というわけで、ちょっぴりヤンチャで運転することでワクワク感やどきどき感が味わえそうな10台をピックアップ。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第10位はマセラティ3200GT(絶版)。イタリアを代表する老舗スーパーカーメーカーの車にもかかわらず、200万円台後半から狙えるんです。それだけでも興奮ものです。独特のエグゾースト音、大人な雰囲気たっぷりのインテリア、エレガントさと凶暴さを両立させたエクステリア、文句のつけどころが見つかりません。ツインターボエンジンは強烈で、本当に「ジャジャ馬」という言葉がぴったり。ダメな子ほど可愛い、という感じで愛せるでしょう。維持費は若干の覚悟が必要?

第9位はトヨタカルディナ(絶版)。“打倒スバルレガシィ”のコンセプトで登場しただけあって、走りには相当なこだわりをもって作られたスポーティワゴンです。特にターボモデルのGT-FOURは低重心で思いのほか重厚感があるばかりか、ターボが利き始めると強烈です。昨今のターボエンジンとは違って、ターボラグが感じられるのはご愛嬌。フツーのステーションワゴンの雰囲気なのに、かなりの戦闘マシンに仕上がっているギャップが面白いです。胸をすく加速感がやみつき。

第8位はホンダシビックタイプR(現行)。得られる運動・動力性能を考えれば、新車時からコストパフォーマンスが高いと言えます。ターボエンジンの強烈さに比べればおとなしいものですが、NAエンジンが気持ち良く一気呵成に回る様は脱帽モノ。一見、単なるセダンに羽が生えたような雰囲気ですが、その実力は本物のスポーツカーです。フツーに走っても、過激に走っても、ドライバーの要求にしっかり応えてくれます。ときめくほど速く、運転する楽しさを教えてくれます。

第7位はフィアットクーペフィアット(絶版)。ジャジャ馬っぷりは、マセラティ3200GTに通じるものがあります。ターボラグは強烈ですし、ブレーキのタッチも不自然。コンパクトボディなのに、最小回転半径は大きめで小回りが利きません。文句たらたらのようですが、うまく運転できたときの“達成感”は相当なものです。そういう意味でのワクワク感は、ゴーカートに似た感触すらあります。危険と隣り合わせな雰囲気は、まさに禁断の果実。車の運転が、きっとうまくなります。

第6位は日産ステージア(絶版)。このクラスの国産ステーションワゴンで成功しているのは、スバルレガシィくらいです。ステージアのオーテックバージョンはRB26エンジン、つまり当時のGT-Rと同じエンジンを搭載していました。プラットフォームもスカイラインと共通なので、いわばスカイラインGT-Rワゴンと呼べる車だったのです。ステーションワゴンの実用性と、GT-Rの走りを兼ね備えた車、と聞くだけでわくわくしませんか? 今後、中古車市場において、その価値が見直されるかもしれません。

木曜日には第5位から1位を発表します。

フォトコレクション

写真:第10位:マセラティ3200GT(絶版)|なんでもベスト10

第10位:マセラティ3200GT(絶版)

写真:第9位:トヨタカルディナ(絶版)|なんでもベスト10

第9位:トヨタカルディナ(絶版)

写真:第8位:ホンダシビックタイプR(現行)|なんでもベスト10

第8位:ホンダシビックタイプR(現行)

写真:第7位:フィアットクーペフィアット(絶版)|なんでもベスト10

第7位:フィアットクーペフィアット(絶版)

写真:第6位:日産ステージア(絶版)|なんでもベスト10

第6位:日産ステージア(絶版)

Report / 古賀 貴司