思いのほか速く、世間の目を欺ける

コンパクトカーには、どうしても“必要最低限”というイメージがつきまといがちです。移動手段として、最適な要素が詰まっているからでしょう。そんなコンパクトカーに、ハイパフォーマンスを組み合わせると“ギャップ"が生まれます。面白いカテゴリーだと思いませんか? スポーティカー需要は冷え込みつつあるようですが、乗ってみるとワクワクさせられます。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はマツダアクセラスポーツ(現行)。国産車では珍しく、ヨーロッパでヒットしたモデルです。すぐれた運動性能、使い勝手はもちろん、デザインの良さも売れた要因でしょう。スポーティな流線型ながら、無理をした感じがありません。軽量ボディゆえに、2.3Lエンジンでも軽快感たっぷり。予算に余裕があれば、マツダスピードの2.3Lターボエンジン搭載モデルもおススメです。そんなに速そうに見えないのに、しっかり速いんです。そんなギャップがオシャレです。

第4位はC4クーペ(現行)。WRCファンであれば、ラリーで活躍している姿をご存じのことでしょう。それにしてもこの車、本当に物凄いデザインだと思いませんか? いやっ、デザインするだけなら可能なのかもしれません。実車で販売してしまうところが、シトロエンならではです。2Lモデルは最高出力180psですが、5速MTで操る楽しみがあります。無茶苦茶速いというわけではありませんが、スポーティかつ唯我独尊な雰囲気を堪能できます。

第3位はトヨタWiLL VS(絶版)。デビュー当初は何とも思わなかったのですが、最近になってそのデザイン力に驚いています。戦闘機をイメージした外観とあって、あえて窓が小さかったり、曲線と直線の融合が見事だったり、いやはやかなり個性的です。1.8Lエンジンで最もパワフルなものは、最高出力190ps。1t強の軽い車重には、十分です。もっとパワフルなエンジンを搭載してスペシャリティモデルとして販売していたら、売れていたのかもしれません。今後、見直されるかもしれません。

第2位は三菱コルト(現行)。なかでも「ラリーアートバージョンR」というグレードは狙い目です。小さなサイボーグ、と呼んでもいいでしょう。最高出力こそ154psと控えめですが、5速MTでターボエンジンを回していけば、どこまでも加速していく雰囲気が味わえます。CVTモデルも用意されているので、MT免許がなくても大丈夫なんです。見た目に速そうで、実際にも速い弾丸マシン。それでいてコンパクトカーとしての使い勝手も良好です。これなら奥様も説得しやすい?

第1位はフォードフォーカス(現行)。ヨーロッパ・フォードで開発された、VWゴルフキラーなんです。WRCでの活躍もさることながら、普通乗用車としての出来も素晴らしいんです。伊達にヨーロッパでカー・オブ・ザ・イヤーを受賞していません。なかでも「ST」というグレードは、最高の戦闘能力を有しています。2.5Lターボエンジンをショートストロークの6速MTで操れば、もう無敵です。すべてがキッチリカッチリしていて、重厚感すら漂っています。さすがWRCウィナー。

フォトコレクション

写真:第5位:マツダアクセラスポーツ(現行)|なんでもベスト10

第5位:マツダアクセラスポーツ(現行)

写真:第4位:シトロエンC4クーペ(現行)|なんでもベスト10

第4位:シトロエンC4クーペ(現行)

写真:第2位:三菱コルト(現行)|なんでもベスト10

第2位:三菱コルト(現行)

写真:第1位:フォードフォーカス(現行)|なんでもベスト10

第1位:フォードフォーカス(現行)

Report/渡辺 敏史