▲車の中から映画を観るという体験は、若い世代にとっては新しく、バブル世代にとっては懐かしい! ▲車の中から映画を観るという体験は、若い世代にとっては新しく、バブル世代にとっては懐かしい!

ドライブインシアターを復活させるアクションがスタート

付き合い始めたばかりの彼女と初めてのドライブデート。ドライブインシアターでロマンチックな映画を観ながらイイ雰囲気になって……ってのが、ひと昔前のアメリカ映画では欠かせないシーンでした。ところが近年、アメリカでドライブインシアターが絶滅の危機に瀕しているのです!

全盛期には全米で4000ヵ所以上もあったドライブインシアターですが、現在営業しているのは370ヵ所ほどにまで減少しているそうです。日没後しか上映できない、収容人数が少ない、雨の日はアウト……といった理由に加え、映画の配給がフィルムからデジタルに変わったことが決定打となりました。デジタル映写機への移行には、最低でも約1000万円ほどの設備投資が必要になるそうです!!

そんな状況を憂いアクションを起こしたのが、なんとUSホンダ。「Project Drive-In」というサイトを立ち上げ、現在までに27ヵ所のドライブインシアターを廃業の危機から直接的、間接的に救ったのです。やるねっ、USホンダ!

デジタル映写機に移行するための資金を提供したり、パブリシティを打ったりしてドライブインシアターを救済する活動をしているUSホンダ デジタル映写機に移行するための資金を提供したり、パブリシティを打ったりしてドライブインシアターを救済する活動をしているUSホンダ

ところで、かつて日本にもドライブインシアターがあったのをご存じでしょうか? バブル全盛期に「アメリカ文化を取り入れろ!」ってことで全国に約20ヵ所作られ、ナウなヤングたちの間で流行りました。が、アメリカと同様の理由で現在はすべて閉館。代わって商業施設と一体になった映画館が増えましたね。

しかし、そんな古き良き映画文化を復活させよう! というプロジェクトがあるのです。浜松に期間限定でオープンする「Drive in Theater Hamamatsu」がそれ。映画に思い入れのある有志が集って「DiTJapan」を立ち上げ、浜松市が行っている「みんなのはままつ創造プロジェクト」から支援をとりつけて企画を実現させちゃいました。

映像制作について学び、ドライブインシアターに興味を持ったという「DiTJapan」代表の伊藤大地氏は現在27歳。「車から映画を観る」という楽しみ方を現代の若者にも体験してほしい、という思いからプロジェクトを企画したそうです。

第1弾の上映作品は「エターナル・サンシャイン」。ドライブインシアターにピッタリのロマンチックなラブストーリーです! 料金は未定ですが、8月17日からチケット発売とのこと。ドライブインシアターを体験したことがない方はもちろん、かつて味わった素敵な思い出をもう一度! という皆さんも必見ですよ!

▲ドライブインシアター浜松は3日間の期間限定。浜名湖パルパルという遊園地の駐車場で開催される

■ Drive in Theater Hamamatsu
開催日 : 2014年10月16日(木)、17日(金)、18日(土)
時間 : 開場15:00/閉場22:00
会場 : 遊園地 浜名湖パルパル 駐車場内特設会場
   静岡県浜松市西区舘山寺町1891

text/田端邦彦