首都高速道路株式会社と東京都は、現在工事を進めている首都高速中央環状品川線の開通が予定より1年遅れ、平成26年度末になることを発表した。シールドマシンによるトンネル掘削完了後の出入口工事や換気所工事において、出水が発生したことが原因だという。

出水が発生したのは五反田出入り口と目黒川地下にあたる南品川換気所。昨年1月~9月にかけて大量の地下水が出たため、一時工事を中断して薬剤で水を固める作業を行い、今年1月から工事を再開した。このあたりはまさに地上での工事が慌ただしく行われている場所。そこで様子を見るために山手通り沿いの五反田出入り口付近を歩いてみた。

地上での工事が行われているのは山手通りの西五反田1丁目(桜田通りとの交差点)~大鳥神社(目黒通りとの交差点)間。昨年は西五反田1丁目付近に大きな防音ハウスが建てられていたが現在は撤去され、地上で換気塔の建設が行われている。現在はかむろ坂下交差点~大鳥神社交差点間にいくつもの防音ハウスが並んでいる。首都高速2号線の高架が交差する大崎郵便局交差点付近には五反田入口の外観が姿を現していた。

急ピッチで工事が進められているこの付近では、工事関係車両が頻繁に出入りし、また工事の進捗状況により山手通りの車線規制が行われたり、車線の配置が変わったりする。歩道が狭くなっている場所もあるので、ドライバーは細心の注意を払って通行する必要がある。

中央環状品川線はすでに開通している大橋ジャンクションと首都高速湾岸線大井ジャンクションを繋ぐ全長9.4kmの路線。開通すると全線約47kmの中央環状線が全線開通することになる。

事業は東京都と首都高速道路株式会社が共同で実施しており、大橋~大井は東京都の街路事業となっている。入口は外回り(大井~大橋)の五反田、出口は内回り(大橋~大井)の五反田と大井南仮の2カ所。中央環状品川線はほぼ全線にトンネル構造を採用しているビッグブロジェクト。不測の事態により開通が遅れることとなったが、開通すると、交通分散による渋滞解消やそれに伴う環境改善効果が期待される。

シールドマシンによるトンネル掘削工事は昨年3月に完了。掘削後の工事中に想定を超える出水が発生した

シールドマシンによるトンネル掘削工事は昨年3月に完了。掘削後の工事中に想定を超える出水が発生した

防音ハウスが撤去され、山手通りに姿を現した五反田入口。地上では現在、外壁の建造などが行われていた

防音ハウスが撤去され、山手通りに姿を現した五反田入口。地上では現在、外壁の建造などが行われていた

かむろ坂下付近は工事により車両通行帯や横断歩道の位置も変更になる。防音ハウスの陰から右折車両が出てくることもあるので要注意

かむろ坂下付近は工事により車両通行帯や横断歩道の位置も変更になる。防音ハウスの陰から右折車両が出てくることもあるので要注意

中央環状品川線の工事と並行して東急池上線の高架が新しくなった。山手通り内回り中央にあった柱がなくなり通行しやすくなっている

中央環状品川線の工事と並行して東急池上線の高架が新しくなった。山手通り内回り中央にあった柱がなくなり通行しやすくなっている