第54回:『ザ・ワン』 【映画の名車】
カテゴリー: トレンド
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2009/02/17
スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!
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■マルチバース(多次元宇宙)には125人のジェット・リーが存在した!?
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『ザ・ワン』2001年・米 監督:ジェームズ・ウォン 出演:ジェット・リー/ジェイソン・ステイサム/カーラ・グギーノ/デルロイ・リンドーほか 販売元:ポニーキャニオン ¥3,990 (税込)
皆さんはマルチバース理論をご存じだろうか。宇宙は一つだけではなく、いくつもの宇宙が並行して存在しているという考え方だ。「そんなの荒唐無稽だろ!! 」と侮ることなかれ、世界中の学者たちが大真面目に研究している立派な理論である。『ファイナル・デスティネーション』シリーズでおなじみの鬼才、ジェームズ・ウォンがメガホンをとり、アジアが誇るアクションスター、ジェット・リーが主演した2001年公開の映画『ザ・ワン』は、このマルチバース理論をベースにした快作にして怪作だ。
物語はジョージ・ブッシュではなく、アル・ゴアが米国大統領を務める世界から始まる。監獄から連行される囚人(ジェット・リー)がどこからか襲撃され、射殺された。マルチバース捜査局のベテラン捜査官ローデッカー(デルロイ・リンドー)とファンチ(ジェイソン・ステイサム)の2人は、別次元に逃げ込みを図る男を捕らえる。その男の顔は殺された囚人とうりふたつ。彼は別の宇宙からやってきた殺し屋ユーロウ(ジェット・リー)だ。ユーロウは125のパラレルワールドにそれぞれ存在する自分を全員消し去り、彼らの力を吸収して宇宙で唯一の全能者になろうと画策していたのだ。果たして最後の一人となったゲイブ(ジェット・リー)を殺すべく、ユーロウはマルチバース捜査局から脱走する…。
マルチバース理論を下敷きにして完全に遊んじゃっているので、「なんでそうなるの!? 」ってな設定のてんこ盛りだが、とにかく宇宙は125個存在していて、そのすべてに存在する自分を一人消すごとに、他の自分に力が吸収されていくっていう前提で話は進んでいく。この前提に納得がいかないと置いてきぼりをくらうことになるが、マルチバース捜査局のスクリーンに次々に映し出される被害者、つまり全員ジェット・リーで大笑いできたら大丈夫。モノセロス宇宙=ドレッドヘアで笑顔のジェット・リー、ツカナ宇宙=金髪で満面の笑みのジェット・リー、プロサイオン宇宙=長髪で仏頂面のジェット・リーとまあ、こんなありさまだ(笑)。
クライマックスは当然、ジェット・リー対ジェット・リーの大立ち回り。ジェット・リー同士の戦いなんだから当然のように超ハイレベル。そして当然のように実力伯仲で、なかなか決着がつかない。アクションの撮り方は超スローとワイヤーを多用した『マトリックス』的味つけがなされていてなかなかの珍味。余談だが、『ザ・ワン』の公開前にジェット・リーは『マトリックス』の続編2作(『リローデッド』&『レボリューションズ』)への出演オファーを受けていたのだが、金銭面での折り合いと、ビッグバジェット作品にスターが固まることで観客が一極集中するのを避けるために断ったそうだ。
そんな経緯もあってか、本作は『マトリックス』へのオマージュにもあふれており、ただただ笑うしかないオチも用意されている。爆笑して仰天して呆然としてツッコミを入れているうちにエンディングを迎える87分のジェットコースタームービー。たまにはこんなおバカSFもオツなものですよ。
映画に登場する車たち
ホンダ インサイト(初代)
ユーロウとの対決に勝利したゲイブがファンチの機転のおかげで新生活を送ることになったのは、さながらシンガポールのようにゴミ一つないクリーンなLA。往来している車も、一人乗り三輪電気自動車「コルビン スパロー」、1997年から2年弱リース販売されたホンダの電気自動車「EV-PLUS」やトヨタの電気SUV「RAV4 EV」といったエコカーのみ。これだけの有名エコカーが一堂に会するのは、なかなかに壮観だ。そんなエコカー群の中には、エンジンを主動力としてモーターが走行状況に応じてアシストする「Honda IMA SYSTEM」を搭載し、世界最高水準の低燃費を目指したホンダのハイブリッドカー「インサイト」(初代)の姿も。インサイトといえば今年(2009年)2月6日に実用燃費をより向上させた2代目が発売されたばかり。初代は2シーターだったが、2代目は5人乗りとなったことでファミリィ層にも人気が出そうだ。また、新型が出たことで初代の中古車も70万円前後と手頃な価格になってきたので要注目!!日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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