スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!

ハズさない俳優、ブルース・ウィリス主演の傑作アクションコメディ!

隣のヒットマン|映画の名車
(C)2007 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.
『隣のヒットマン』(DVD・発売中)2000年・米 監督:ジョナサン・リン 出演:ブルース・ウィリス/マシュー・ペリー/ロザンナ・アークエット/ナターシャ・ヘンストリッジ/マイケル・クラーク・ダンカン/アマンダ・ピートほか 販売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン ¥1,490(税込)
ブルース・ウィリスにハズレなし!! レンタル店で映画を選ぶときの基準は人それぞれだろうが、「この人が出ていれば、大間違いはない」という俳優をつくるのも一興だ。筆者の場合、ブルース・ウィリスがその筆頭。まあ『アルマゲドン』みたいな大味な作品もありますが、「ぐむぅ、ババ引かされた!! 」とデッキからDVDで引っこ抜いて窓の外に投げ出したくなるような作品というのは、ほぼ皆無。ダラダラ続いているように見える『ダイハード』シリーズだって、最新作はキッチリ面白い。

そんなハズさない男、ブルース・ウィリスの出演作から今回紹介するのは2000年公開の『隣のヒットマン』。内容はズバリな邦題そのもの。“隣に殺し屋が引っ越してきてさあ大変!! ”というコメディだ。「早くもユルユルな雰囲気が漂ってきたなぁ」と思う輩もいるだろう。確かに、まず設定ありきのドリフ的な展開ではある…のだが、これがブルース・ウィリスを筆頭に曲者揃いの怪優たちが集結することで極上のアクションコメディに仕上がるのだから、あら不思議!!

モントリオールで歯科医を営むニコラス・オゼランスキーこと通称オズ(マシュー・ペリー)は、同じく歯科医だった義父が残した借金を抱えて首が回らない状態。そんな状況なのに妻のソフィ(ロザンナ・アークエット)は日に日に凶悪化。働きもせず、オズに金をせびり、彼の甲斐性のナサをなじりまくっている。そんなある日、ニコラス家の隣にサングラスをかけた男が引っ越してきた。その男の腕に入っているタトゥーに見覚えがあったオズが記憶の糸をたどってみると…なんと彼はチューリップという異名をもつ、シカゴの殺し屋・ジミー(ブルース・ウィリス)だった!! 意外にも2人は意気投合するが、それも束の間、ソフィは報奨金を目当てにジミーをシカゴのマフィアに売り渡す計画を立て、実行をオズに押しつける…。

この後は目まぐるしく事態が二転三転。なぜか計画はシカゴの裏社会にダダ漏れであり、ソフィ、マフィア、ジミーと三方向からがんじがらめにされたオズは右往左往。それでも突如目の前に現れた運命の女=シンシア(実はジミーの妻)を守るために身体を張って難関を突破し始める。このシンシア役を演じているのが、『スピーシーズ 種の起源』で妖艶なエイリアンを演じたナターシャ・ヘンストリッジ。佇んでいるだけで強烈なフェロモンを放つ悩殺キャラは健在であり、強引な展開にも説得力をもたせてくれる。また、ナターシャが陰の色気なら、陽の色気が殺し屋初心者のジルを演じたアマンダ・ピート。オッパイをポロンしながら野郎どもを油断させるという大胆なワザを繰り出してくれるのだから嬉しい限り。さらにはロザンナ・アークエットが演じる極悪非道妻・ソフィも、熟女好きにはたまらん退廃したセクシーを醸しまくる。

この3人にブルース・ウィリス、マシュー・ペリー、マイケル・クラーク・ダンカンといった名優たちが絡むのだから、映画の成功は約束されたものだ。アクション、サスペンス、コメディ、ラブストーリー、セクシーがぎっちり詰まっているのに99分でまとめるジョナサン・リン監督の手腕もお見事。普段、凶妻の圧政で鬱憤がたまっているそこの旦那、スカッとしたいときにオススメですよ!!

映画に登場する車たち

トヨタ カローラ(E90系)

マシュー・ペリー扮する貧乏歯科医・オズの愛車は、フロントにTOYOTAマークが付いているE90系カローラ(左ハンドルの北米仕様)。1987年から 1991年まで販売されたE90系カローラは、手頃な価格の大衆車として大ヒット。北米人に愛され続けたが、ハリウッド映画ではたびたび酷い扱いを受けているのが気になる(第14回『チェンジング・レーン』参照)。本作の年季の入った金色のカローラ(2000年の作品なので、少なくとも9年落ち)も、うらぶれたオズの象徴になっており、凶妻ソフィが乗るピカピカの黄色いビートルとの対比が描かれている。おまけに最後は爆発炎上…不遇すぎます!!


Text/伊熊恒介