第34回:『私をスキーに連れてって』 【映画の名車】
カテゴリー: トレンド
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2008/09/22
スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
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■スキーブームの起爆剤となったホイチョイムービー第1弾
(c) 1987フジテレビ・小学館
DVD『私をスキーに連れてって』(発売中)1987年・日本 監督:馬場康夫 出演:原田知世/三上博史/原田貴和子/沖田浩之/高橋ひとみ/布施博/鳥越マリ/竹中直人/田中邦衛ほか 販売元:ポニーキャニオン ¥2,625(税込)
26歳の矢野文男(三上博史)は、某スキー用品メーカーの軽金属部に所属するしがないサラリーマン。だがスキーの腕前だけはプロはだしで、ゲレンデでは常にヒーローだった。だが半面、口下手のためいまだ彼女はできず。仲間から紹介された女の子にも興味を示さない。ところがクリスマスイブの志賀高原で、ロングヘアの美少女・優(原田知世)に一目ぼれ。スキー初心者の彼女が転んで雪に埋もれているところを助けたことから2人は急接近。しかし仲間が文男に紹介した女性をステディだと思い込んだ優は、「軽薄な男!! 」と憤慨。文男に電話番号を聞かれるも、ウソのナンバーを教えてしまう…。
なんだかトレンディドラマの典型的なプロローグだなぁ…とつぶやいたアナタ。そうなんです。本作こそがあらゆるトレンディドラマの原点なんです。流行のスポットやファッションを全編にちりばめ、美少女とイケメンが運命の出会いを果たし、さまざまな誤解や障害を乗り越えて結ばれる…。それまで若者向けの映画やドラマは、どちらかというと泥臭く、説教くさい青春モノが主流だったが、本作の爆発的なヒットで一変。三上博史は翌1988年のCX系ラブコメ「君の瞳をタイホする!」にも主演を果たし、こちらも高視聴率を記録。その結果、次々とトレンディドラマが大量生産されていくことになる。
さらに本作は「スキー場へは4駆で」…という流れまで作ってしまった。SUVという言葉がまだなかった当時、劇中で高橋ひとみと原田貴和子が運転する2台のセリカGT-FOURがバリバリと雪道を快走するシーンがフィーチャーされ、若者たちの心を一発でとらえてしまったのだ。
このように時代の流れをとらえ、ヤングに多大なる影響を及ぼすことになった本作を手がけたのはホイチョイ・プロダクションズ。四半世紀以上にわたって「ビッグコミックスピリッツ」に長期連載されているマンガ「気まぐれコンセプト」が有名だが、もともとは映画制作集団であり、この『私をスキーに連れてって』が待望の劇場長編第1弾となった。流行のアンテナに敏感な彼らだけに、ファッション、セリフ、車、人間関係など、すべて一歩先を行っており、劇場に足を運んだすべての若者にため息をつかせた。また、スキーシーンの迫力やラブストーリーだけにとどまらないハラドキの展開など、映画としての完成度もすこぶる高く、みずみずしいキャストたちの笑顔もあいまって、その鮮烈さは今も色あせることはない。
この後、ホイチョイは1989年に『彼女が水着にきがえたら』、1991年に『波の数だけ抱きしめて』と立て続けに映画を制作(通称・ホイチョイ3部作)、1990年前後の若者文化を映し出す鏡としての役割を担ったが、バブルの崩壊とともに、しばらく映画から遠のいていく。それでも1999年には『メッセンジャー』のヒットで復活を遂げ、昨年は自らバブルを回顧した『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』を公開して話題になった。だが、いずれの作品も『私をスキーに連れてって』の輝きを越えるには至っていない。スキー人気が低迷する今、40歳を迎えてもなお美しさに磨きのかかる原田知世と、苦みばしったいい顔の俳優に成長した三上博史で『私をスキーに連れてって2』が観たい!!
映画に登場する車たち
トヨタ カローラII リトラ(GPターボ)
※写真はグレードが異なります
トヨタ セリカ GT-FOUR(ST165型)
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