『平成22年』はクロスオーバー人気に火が付いた年! 変わり種のハイブリッド車も登場【平成メモリアル】
2019/06/01
宇宙でのドラマに全俺が泣いた平成22年
小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星からサンプルを持ち帰り、地球へと帰還した平成22年。
打ち上げから7年後、約60億kmもの航海をしてきたってんだからスゴイよね。
車だったら頑張っても数十万kmしか走れないもんなー。
サンプルを投下した後、本体は燃え尽きちゃう運命というのも、なんだかドラマチック。
リーマンショックの余波のこる当時の日本に、勇気が出るストーリーを提供してくれました。
車関係の話題としては、民主党がマニフェストに掲げた高速道路無料化に向けた社会実験がひっそりとスタート。
その後、実験は凍結。現在に至ってますね。
インプレッサXVなどクロスオーバーが一躍人気に
さてさて、平成22年も元気な車が多数登場した1年でした。
それまで亜流的な存在だったクロスオーバーが一般的に認知され、一躍大人気に。
「四駆なのに車高低いとか意味わかんない」という印象から、「乗用車っぽいのに車高が高くてカッコいい! しかも乗りやすい!」印象へと変わりました。
これも多様性が受け入れられる時代ってことですかね。
SUVのパイクカーってところが新しい
それでは今週もまいります、独断と偏見で選ぶ平成22年登場車のトップ3発表!
第3位はトヨタ FJクルーザーです。
ファンにとっては待ちに待っての国内導入。
何せ北米では2006年に発売開始されていたのだから、4年も待ったことになります。
ランドクルーザー プラドと同じ骨格に、レトロなデザインのボディを載せた、この車。
日本においてトラディショナルな四駆の人気はとっくのとうに下火になっていましたが、斬新なボディワークが好評を博して大人気に。
北米では2014年に販売終了しましたが、日本では2018年まで継続されました。
もちろんプラドがベースだから、オフロード四駆としてのポテンシャルも本格派。
ところでFJクルーザーのデザイン、大昔に発売されてたランドクルーザー40をモチーフにされていますが、2台を見比べてみると全然違います。
BMW ミニやフォルクスワーゲン ビートルにも通じるデザインの再解釈、日本のメーカーも上手くなったナ、というところです。
見た目の中身も斬新なロングセラー
続いて2位は……日産 ジュークにしましょうよ。
こんなに奇抜なデザインの車が、こんなに売れた例は日本自動車史の中でも例がありません。
販売開始から2週間で7000台以上も受注があったそうですよ。
デザインだけでなく、マニュアルモード付きのエクストロニックCVT、左右トルクベクトル機構付きのトルクスプリット式4WDなど、よく見るとメカニズムにも凝っている。
1.6Lターボ車の走りなんて、最新のクロスオーバーと比べても全然ヒケを取らないもんね。
「アーバンセレクション」や「プレミアムパーソナライズパッケージ」など、毎年の特別仕様車追加も新鮮味が薄れない理由。
発売からはや9年が経っていますが、今でも現役続投中。
唯一無二の存在感が、第2位に選出した理由です。
ハイブリッドでスポーツ! という新境地
第1位はズバリ、ホンダ CR-Zです。
スポーツモデルなのにハイブリッド、という斬新なコンセプトに一票!
ハイブリッドなのにMTが用意されているというのもレアで、スポーツカー好きの心をくすぐるポイントでしょう。
何といっても初代CR-Xを現代風にリデザインした、テールをスパッと断ち切ったようなフォルムが私的にツボなのです。
デビュー当初はやれハイブリッドなのに燃費があまり良くないとか、やれコンパクトスポーツなのにパンチがないとか、やれ乗り心地が硬すぎるだとか辛口な批評が目立ちましたが、コンセプトを評価してあげましょうよ。
2012年のマイナーチェンジでかなり改善されているし。
秘密の加速装置「+S」ボタンもハイブリッドならではの装備。
昭和世代のアニメ好きなら、思わず奥歯を噛みしめてしまうシチュエーションでしょう(わからない人は「サイボーグ009」で検索!)。
人気車の傾向が変わり、個性的な車が評価されるようになっていった平成22年(CR-Zは残念ながらヒットしなかったケド)。
ハイブリッドもエコカーとしての位置づけから、多様なキャラクターへと変化していきました。
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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