第12回：『ミニミニ大作戦』 【映画の名車】

■ハリウッドの超豪華スターが競演するクライム・アクション！

1969年に公開された同名作品を、Ｆ・ゲイリー・グレイ監督（『交渉人』『ブルドッグ』）のメガホンでリメイク。タイトル通りミニクーパーが大活躍する映画ではあるが、実は『The Italian Job』と非常にクールな原題であり、子供っぽい邦題はちょっと損をしている。『ミニミニ大作戦』なんてタイトルに、よもやマーク・ウォールバーグ、シャーリズ・セロン、エドワード・ノートン、ジェイソン・ステイサムと、今をときめくハリウッドの人気者たちがズラリと出演しているなんて思わないでしょ？

ヴェネチアの最新型金庫から時価3500万ドルの金塊をまんまと盗み出した知能犯集団。リーダーのチャーリー（マーク・ウォールバーグ）は父親のように信頼していた金庫破りのジョン（ドナルド・サザーランド）と祝杯をあげた。だが、仲間の一人、スティーブ（エドワード・ノートン）の裏切りでジョンは殺され、金塊はすべて奪い取られる。

1年後。なんとか生き残ったチャーリーたちは、ジョンの娘ステラ（シャーリズ・セロン）を仲間に引き入れ、ロスで悠々自適に暮らすスティーブから金塊を奪い返す計画を立てる。ここで怒涛の活躍をみせるのが、シャーリズ演じるステラの愛車ミニクーパーS。当初の計画（豪邸の中にミニで突撃する）は頓挫したものの、再度練り直した大胆な計画を実行に移すのだ。

クライマックスのカーチェイスは圧巻のひと言。地下鉄の構内から下水道までユニオンジャックのカラーリングが施された3台のミニがガンガン走り抜けていく爽快なシーンを映画館で観て、新しいミニの購入を決意した人も多かった（ちなみに、劇中で登場するのは3台だけだが、BMWグループはパラマウント映画に32台のミニを提供したそうだ）。

シャーリズのキュートさも他の出演作に比べて際立っており、本作で虜になったファンも多い。B級テイスト漂う邦題のイメージだけでスルーしていたら、もったいない見所満載の一本です！


DVD『ミニミニ大作戦：コレクターズエディション』発売中 03年・米　監督＝Ｆ・ゲイリー・グレイ　出演＝マーク・ウォールバーグ、シャーリズ・セロン、エドワード・ノートン、ジェイソン・ステイサム、セス・グリーン、ドナルド・サザーランドほか　発売元：日本ヘラルド映画　販売元：ポニーキャニオン　3,990円（税込）

＋＋＋映画に登場する車たち＋＋＋

■ミニ ミニ クーパーS

キュートなステラ（シャーリズ・セロン）が颯爽と乗りこなしている赤いコンパクトカーが、公開当時発売されたばかりだったミニ クーパーS。ローバーの冠がとれた、いわゆるニューミニは2001年に発表され、日本では2002年3月2日（ミニの日）に発売された。クーパーSの機動力に驚いた屈強の男どもは、ペッパーホワイトとインディブルーのクーパーを1台ずつ用意してチューンナップを施し、練りに練った作戦を決行する。