メルセデス・ベンツ日本と、数々のメカニックを輩出している学校法人・小山学園は、メルセデス・ベンツに精通したメカニックの育成に関する業務提携について2013年12月合意した。

これは車のテクノロジーが高度化する現在の状況を受け、自動車業界の最優先課題のひとつとして、より専門性の高いメカニックの育成を掲げて提携されたもので、今年の夏に自動車専門学校の学生を対象に、夏期講習を実施する。

小山学園の東京工科グループは、開校以来45年の歴史を持ち、都内に3校の自動車整備の専門学校を運営する学校法人だ。約2万人の整備術者を輩出し日本の基幹産業である自動車業界を支えている。同学園は、より質の高い技術・サービス教育を追求し、教育水準を高めることを目的に、この提携に合意している。

提携の内容は、まず第1弾として「東京工科自動車大学校」「同世田谷校」「東京工科専門学校品川校」の学生24人を、メルセデス・ベンツの習志野事業所トレーニングセンターに受け入れ、同社の講師が5日間の夏期講習を開催するというもの。

これにより、より専門性の高い整備技術を学ぶことができ、またメルセデス・ベンツの整備におけるスペシャリストの育成にもつながる。さらに、将来的にはメルセデス・ベンツを専門とする専科を、同校のいずれかに設置することを目指し、両者間で協議を進めている。

現在の車は多くがコンピュータ制御となり、構造や機能もより複雑化してきている。それだけに、今後A社の整備をやっていた人間だと、B社の車に関しては的確な整備ができない、といった状況も十分に考えられる。

そういった意味で、このメルセデス・ベンツと小山学園の業務提携は、他社に先駆けるカタチでのスペシャリスト育成であり、今後もこういったケースが増えることも予想される。いずれメカニックは、メーカーごとに資格が設けられる日が来るかもしれない。

メカニック育成に関する業務提携に合意し、握手を交わすメルセデス・ベンツ日本社長・上野金太郎氏(左)と、小山学園理事長・山本匡氏(右)

メカニック育成に関する業務提携に合意し、握手を交わすメルセデス・ベンツ日本社長・上野金太郎氏(左)と、小山学園理事長・山本匡氏(右)

メルセデス・ベンツ日本は、全国224の指定サービス工場を通じ、メルセデス・ベンツやスマートに関して質の高いアフターサービスを提供している

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