直噴ガソリン車はススなどの排出量が10倍以上であることが明らかに
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2014/01/07
独立行政法人国立環境研究所は、第四世代と呼ばれる近年の直噴ガソリン自動車から比較的高濃度の微粒子が排出されることを確認した。粒子重量は少ないものの、粒子個数の排出量は従来のポート噴射ガソリン車の10倍以上という。
直噴ガソリンエンジンは、燃料であるガソリンをシリンダ内に直接噴射するもの。出力や燃費性能の向上、排気ガス量を低減しやすいなどのメリットがあるが、構造上燃料の濃い領域がシリンダ内にできるため、スス粒子が精製されやすいといったデメリットも存在する。
自動車用として採用されたのは1954年発売のメルセデス・ベンツ300SLが世界初。1990年代には三菱の「GDI」をはじめとした、いわゆる第一世代の「リーンバーン(希薄燃焼)直噴」を各メーカーが続々と投入した。
その後、2000年代初頭のアルファロメオ「JTS」などの第二世代(ストイキ直噴)、2005年以降のフォルクスワーゲン「TSI」などの第三世代(過給ダウンサイジング直噴)を経て、近年では再びリーンバーンを使用した第四世代が台頭しつつある。
2012年には国産メーカーから発売された主な新型エンジンの約4割が直噴ガソリンエンジンを採用しているが、大気環境への影響や毒性を考えるうえで重要な化学組成に関する研究などはあまり報告されていなかった。
今回の発表では国産直噴ガソリン車の排出粒子個数はポート噴射ガソリン車の10倍以上、欧州産直噴ガソリン車はさらにその約5倍に上ることが明らかになった。排出粒子(主にスス)の主な起源はガソリンと考えられており、これをいかに減らすか対策を講じることが重要としている。
- 最近の直噴ガソリン乗用車からの微粒子排出状況(独立行政法人国立環境研究所)