「峠」という言葉を聞いてワクワクする気持ちになったのなら、あなたは間違いなく走り好きだろう。その昔、峠は走り屋のコミュニケーションの場だった。「いい音してるね。どこのマフラー?」といった車談義に花が咲き、峠はいつも賑わっていた。

そんな峠もいつしか廃れ、コミュニケーションの場はなくなっていった。それを復活させようというのが、トヨタ86を中心に、スポーツカーファン同士のコミュニケーションを高める目的で作られたコミュニティサイト「86 SOCIETY(ソサエティ)」だ。

全国の峠を紹介する「峠ガイド」や、お気に入りの峠を投票する「峠セレクション」などの人気コンテンツがあり、全国の86オーナーが、実際に走った印象や注意点、おいしいグルメなどを投稿できる参加型コミュニティとなっている。

その「86 SOCIETY」がリニューアルし発表会が開催された。2013年度の峠セレクションには新たに31の峠が加わり情報をブラッシュアップ。さらに5月31日にはスマホ用のアプリも登場するという。iPhone版とAndroid版が用意され、外出先から掲示板などをチェックできるほか、GPSを使って近くの峠までの距離や方向がわかる「峠レーダー」の機能も搭載する。

86の発売から約1年。その注目度の高さから波及し、スポーツカーの市場規模は前年比の3倍になっている。これまでも車好きのコミュニティサイトはあったが、メーカー自らがプラットフォームを用意し、ファンとともに作り上げていく方式はこの86が初めて。車を作って終わりではなく、その後の楽しみ方もメーカーが提案する。その昔、峠を中心に花が咲いていた車談義は、今場所を変えて花を咲かせようとしている。

86のマーケティングディレクターの喜馬氏は「ファンの声をより生かし、参加してもらえる幅を広げるため」サイトをリニューアルしたと語った

86のマーケティングディレクターの喜馬氏は「ファンの声をより生かし、参加してもらえる幅を広げるため」サイトをリニューアルしたと語った

昨年の峠セレクションにノミネートされた全峠を制覇した2名に記念の盾や賞品が送られた。「一番良かったのは嵐山の峠です」といったコメントも

昨年の峠セレクションにノミネートされた全峠を制覇した2名に記念の盾や賞品が送られた。「一番良かったのは嵐山の峠です」といったコメントも