東京モーターショーは消滅するのか? ~部品メーカー直撃編1~ 【東京モーターショー2009】
カテゴリー: レース&イベント
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2009/11/02
部品メーカーに聞いた「近いうちに市販化されるもの」
一般的に自動車は、3万点以上にも上る部品から構成されている。これらの多くは自動車メーカーではなく、外部や系列の部品メーカーが開発している。
それゆえ、部品メーカーが開発しているものを見ると、実は今後の車の姿を予想できるのだ。モーターショーにおいて部品メーカーのブースは一見、地味なものに感じるかもしれないが、自動車メーカーのコンセプトカーより現実味のあるものがずらりと並べられている。その中から近いうちに市販化されるものを、可能なかぎり教えてもらった。
普段あまり目にしたことのない部品だが、この開発こそが次世代自動車の未来を握っている。東京モーターショーでぜひ訪れたい
デンソー
日本最大の自動車部品メーカー。今後はハイブリッド技術の進化や、電気自動車に取り組む
ボッシュ
ドイツで最大となる部品メーカー。ディーゼルで強みを発揮し、ル・マン24時間でアウディを支える
小糸製作所
ヘッドランプやブレーキランプ類で大きなシェアを誇る
ブースには世界中の車の部品が並んでいる
豊田自動織機
トヨタグループのルーツともいえる会社。炭素繊維強化樹脂は、レクサスLF-Aが採用する
軽量化された部品が“山”となり、大きな低燃費につながる
部品メーカーのブースを訪れ、これから市販化される部品を聞きまわるのは、ある意味タブー。自動車メーカーとの守秘義務契約もあろうし、デビュー前の車を語るようなもの。秘密を堂々と聞きに行っているのだから、メーカー担当者の口は堅い。 しかし、そんな重い口から共通してうかがえたのは、内燃式エンジンのさらなる小型化、効率化である。エンジン単体の進化はもちろんのこと、エンジン回り補機類の進化も実は重要なのだ。結果的には軽量化につながり、燃費が向上する。また、日本ではイマイチ普及しない普通乗用車用ディーゼルエンジンも、さらにクリーン化しそうだ。 いろいろ聞きまわってみると、高級車に採用される部品が時間とともに大衆車に普及していく構図が見られる。 「現在、LEDヘッドランプは一部の高級車にしか採用されていません。そう遠くない将来、LEDヘッドランプは大衆車と呼ばれるモデルにも普及すると思います」と語ってくれたのは小糸製作所の担当者。視認性の向上はもちろん省電力、軽量化にも役立つ。塵も積もれば山となる、という諺は車にピッタリ。たとえグラム単位での重量削減とて、何万の部品から成り立っている車には大きな削減につながる。小型化、効率化、軽量化、環境性能、快適性、安全性など、自動車メーカー、そしてそれを形にする自動車部品メーカーが追い求める要素は多いのだ。 | |
そのほか、LED同様に高級車が採用している部品は、時間がたつにつれ、大衆モデルにも普及していくものも多い。例えば初代トヨタセルシオが採用していたオプティトロンと呼ばれるメーター類、最近では珍しいものではなくなった。ボッシュでは、安全性の向上に一役買うDSC(横滑り防止装置:ダイナミック・スタビリティ・コントロール)の搭載が一般化するだろう、と語っていた。 小型化や軽量化とともに、部品の低コスト化も着々と進んでいるのだ。 |
高級スポーツカーLF-Aのボディを支える炭素繊維強化樹脂。これもいつしか大衆モデルに採用されるに違いない |
VOICE of carcensor.net
部品の小型化や軽量化によって、さらに低燃費化・低コスト化が進むだろう