「釣りにボルボは欠かせない」 名人の新たな相棒はコンパクトSUVのXC40
2020/09/18
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
ヘラブナ釣りの名人はボルボ XC40を選んだ
天笠 充さん。今現在、日本一の「ヘラ師」である。ヘラ師というのは、釣りの中でも「最も奥が深い」といわれているヘラブナ釣りを専門とする釣り人のことだ。
天笠さんは、ヘラ師の間では「グランドスラム」と呼ばれる大会のひとつである全日本ヘラブナ釣り選手権で二連覇中のディフェンディングチャンピオン。そしてもうひとつのメジャー大会であるダイワへらマスターズでも二連覇した経験をもつ、超が付くほどの名人なのだ。
そんな名人の天笠さんが現在乗っている車はボルボ XC40。2018年3月に発売された北欧産の比較的コンパクトなSUVである。
「就職して買うことになった“人生初の愛車”は某国産車だったのですが、それは自分の趣味嗜好とは何の関係もない1台で、業務の都合上、なかば強引に買わされた車でした。
そう語るとおり、天笠さんは釣りのプロではない。昔も、日本一となった今も、会社員である。
そして20代の頃、「買わざるを得なかった」という某国産車にしばらく乗った後、いよいよ「自分が本当に好きな車」に乗り替えることになった。
ボルボのデザインと安全性能に惚れ込む
天笠さんが本当に好きな車。それはスウェーデンのボルボだ。日本でも大ヒットした「ボルボ 850」のスタイリッシュなデザインと安全性に衝撃を受けた若き日の名人にとって、自分の意思で買う車といえば、ボルボ以外は考えられなかった。
20代でボルボ V70を購入し、30代で再びV70を購入。ちなみに名人は、気に入ると「長く乗る」タイプの人なのだ。
そして、釣りにプライベートにと長らく使い倒した2台目のボルボ V70もさすがにくたびれてきた2018年春、現在乗っているコンパクトSUV「ボルボ XC40」の導入が発表された。
「まずはXC40のデザインとたたずまいに衝撃を受けました。造形と雰囲気に、“今までにないまったく新しい何か”を感じたんです。そしてペーパードライバーだった妻は、ステーションワゴンのV70は『背が低いから前方が見えづらい』『サイズも私にはちょっと大きすぎる』とかなんとか言って、ぜんぜん運転してくれなかったのですが、XC40を見たら『コレなら運転したいかも!』と言いだしたので、ならば買い替えるか――ということになったんです」
リースを活用して納車までの期間もボルボでつなぐ
だが、天笠さんと奥さまが「コレなら!」と見込んだニューモデルの現物は、なかなか日本に上陸しなかった。XC40を見込んだ人の数が多かったせいか、デリバリーに時間がかかったのだ。ディーラーからは「お買い上げありがとうございます。しかし納車は半年先になります」と言われた。
半年間も車なしでは、持ち運ぶべき道具の数と種類が意外と多いヘラブナ釣りに重大な支障をきたしてしまう。
そこで天笠さんはボルボのリースシステムを利用して、新車のボルボ V60を、XC40が納車されるまでリース契約で乗ることにした。
そのV60の走りや実用性が想像以上に素晴らしかったため、「ぶっちゃけ、XC40のデリバリーがもう少し遅れますように……」などと内心祈ったこともあるというが、とにもかくにも半年後の2018年12月、XC40は天笠家にやって来た。
「やっぱり“自分の車”の方が、しっくりくる」
「リースでV60に乗ってたときは『このままV60でもいいかな?』ぐらいに思っていたのですが、いざXC40が来てみると、やはり『こっちで良かった!』と思いましたね。私の価値観やライフスタルに合ってる感じがするんですよ」
天笠さんの価値観というのは――もちろんいろいろあるわけだが、そのうちのひとつとして――例えば家は賃貸マンションではなく自己所有の、それも戸建てを好むというのがある。
「やっぱりね、“自分の家”の方が“自分の基地”みたいに思えるじゃないですか? 自分の思いどおりにいじることもできますしね。それと同じで、リースも大変に便利でいいシステムだなとは思いましたが、やっぱり“自分の車”の方が、私としてはしっくりくるんですよ」
釣り場の荒れた土地でも気兼ねなく入って行ける
そして「ライフスタイルに合っている」というのは、当然ながら「ヘラブナ釣りに合っている」ということだ。
「皆さんがヘラブナ釣りについてどんなイメージをお持ちかは知りませんが、ヘラブナを釣るために行く場所って、決して整備されたキレイなところではないんですよ。車を止める場所も、ゴルフ場のクラブハウスみたいなところではぜんぜんなく(笑)、でこぼこだらけの荒れた土地ですし」
たしかに釣り堀以外での釣りというのは基本、そういったものだ。
「そしてそんなシチュエーションだと、ステーションワゴンに乗っていたときは『……下を擦らないかな?』みたいな不安が常にあったのですが、最低地上高がそこそこ高いSUVだと、そういった心配をする必要がほとんどないんです。余計な心配をすることなしにどこへでも行けて、そして釣りに集中できる。それでもってボルボXC40は、SUVとしては小さめな車ですが、実は荷物もそこそこの量を載せられますしね」
行き帰りの運転自体が楽しく、そして疲れにくいこともボルボ XC40の美点のひとつだという天笠さん。これからも、「もしも買い替えるなら次もボルボ」という基本姿勢に変わりはない。
だが検討の対象となるボルボはいつの間にか、「ボルボのステーションワゴン」から「ボルボのSUV」へとすっかり変わっている、天笠 充名人なのであった。
天笠 充さんのマイカーレビュー
ボルボ XC40(現行型)
●年式/2019年式
●グレード/T4 AWD Rデザイン
●購入金額/約570万円
●年間走行距離/約8000㎞
●マイカーの好きなところ/スタイリッシュなデザイン
●マイカーの愛すべきダメなところ/機能・性能が凄すぎて、使いこなせていない(笑)
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/アウトドア派の方にオススメです!
インタビュアー
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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