惚れたものにはとことん愛情を注ぐオーナーが、徹底的にチューンしたS660
2019/12/30
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
好きになったら徹底的に! 准教授のチューンドS660
平山さんは大学院の准教授として経営学を教える傍ら、吉祥寺でヘビやトカゲ、カメなどの爬虫類と出合えるカフェ「はちゅカフェ」のオーナーでもある。愛車はS660。失礼かもしれないが、これらの情報だけでも明らかにフツーではない。
「僕はもともと新卒で自動車メーカーの関連会社に就職したんです。昔から車好きだったので入社後すぐに新車のホンダ S2000を購入したら周囲から驚かれました(笑)。その後もプジョー 307CCやインターメカニカ社のポルシェ 356スピードスターのレプリカなど、オープンカーばかり乗り継いでいます」
しばらく会社勤めをした後、平山さんは経営学を学びたい思いから退職し、新たな勤務先にてスタッフとして働きながらMBAを修了。そのまま教員としても働くようになったという。
「経営学を教える立場になったのですが、せっかくなら自分で会社もやってみたくて、はちゅカフェを始めたんです。このS660は飼育している爬虫類を病院に連れていくために購入したもの。ミニバンのような実用車だと必要のないとき以外は乗らなくなると思ったので、どうせなら運転の楽しい車にしようと」
平山さんが爬虫類にのめり込むようになったきっかけは、現在も飼っているギリシャリクガメのターボくんとの出合いだ。
「7年ほど前にカメを飼いたいと妻からリクエストがあったんです。それでいざ飼ってみると、寝ている姿が可愛かったりしてすっかりハマりました。一方で、爬虫類は犬や猫などのようにしっかり飼育方法が確立されておらず、しっかりした知識をもった人がとても少ないことに疑問を感じました。はちゅカフェをオープンしたのは、爬虫類に興味のある人や、実際に飼っている人にも正しい知識を広めたい思いもあったんです」
S660を購入したのは半年ほど前。ノーマルの程度の良い中古車だったが、すぐさま外装、内装、足回りに至るまで手を入れ、自分好みのスタイルに仕上げたという。
「やっぱり僕は漫画『頭文字D』や土屋圭市さん、ゲームの『グランツーリスモ』といった走り屋カルチャーの影響をもろに受けて育った世代ですからね。購入時に傷だらけだったアルミホイールをオレンジ色の社外品に交換したところ、意外なほどマッチしていたので、これはもう最後までやるしかないと(笑)」
「エアロパーツに車高調、コンピューター、マフラー、タワーバーといった走りに関わる部分だけではなく、インパネやドアライニング、シートなどの内装も社外品のカバーを装着して全体の統一感を出しました」
「外からはあまり見えない部分ですが、エンジンカバーもオレンジにペイントしてあるんです。市街地走行でも強烈な非日常感が味わえるのがこの車の素晴らしいところだと思っているので、普段からほとんど屋根を開けて乗っていますよ」
並々ならぬオレンジ色へのこだわり。じつはそこにはもうひとつの理由があると平山さん。
「じつはT.M.Revolutionこと西川貴教さんの大ファンで、オレンジ色は彼のイメージカラーでもあるんです。ライブを観るために日本全国を追いかけるだけでは飽き足らず、最近は西川さんの肉体美に影響されて腹筋がシックスパックになるまで筋トレで鍛えたりもしました(笑)。究極の夢は西川さんと一緒にこのS660に乗って走ることです」
一度惚れたものには常人離れした熱意で愛情を注ぎ続ける平山さん。S660と飼育される爬虫類たちは幸せである。
平山宗隆さんのマイカーレビュー
ホンダ S660(初代・現行型)
●購入金額/約190万円
●年間走行距離/約5000㎞
●購入する際に比較した車/特になく決め買い
●マイカーの好きなところ/ボディサイズとコーナリング性能。とにかく曲がる!!
●マイカーの愛すべきダメなところ/走りに特化するために徹底期に無駄をそぎ落として、潔くラゲージスペースもそいだところ(笑)
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/とにかく車で「走る」喜びを感じたい方にはオススメです! そして、全国の西川貴教さんファンの皆さまへ(笑)
インタビュアー
佐藤旅宇
オートバイ専門誌『MOTO NAVI』 、自転車専門誌『BICYCLE NAVI』の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はスズキ ジムニー(81年式)とスズキ グランドエスクードの他、バイク2台とたくさんの自転車。
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