運転するのも、イジるのも、眺めているのも好き。 だから、アクセラスポーツといつも一緒にいたい
2019/06/08

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
ボディカラーもスタイルも、すべてが気に入っている
まるでオートバイのライダーがヘルメットを脱ぐように、エンジンを切った彼は、おもむろにステアリングを外すと助手席側のフックに掛けた。
「ステアリングは、いつも外して吊り下げておきます。友だちがやっているのを見て、カッコいいな、と思って。このクールな感じ、超カッコよくないっすか?」
駐車場に止めたソウルレッドのアクセラスポーツを振り返りながら、オーナーの上條勇人さん(23歳)はにんまりと笑った。
運転免許を取得して、すぐに新車で購入したマツダのアクセラスポーツ。以来、4年間で走行距離は7万kmを超えた。
車のデザインもボディカラーも、ステアリングをぶら下げて駐車場に佇むスタイルも、すべてが気に入っている。

「買った当時は、オリジナルのまま乗ろうかと思っていたんですけどね」
そう語る上條さんだが、内外装からエンジン、足回りまでツボを押さえたモディファイがきっちりと施されている。
「最初の頃にいきなりフェンダーをぶつけて、それがきっかけでスイッチが入っちゃいました。どうせフェンダーを交換するのなら、あれもこれもカッコよくしちゃえ、と」
あえてマイチェン前のモデルをゲット
車をイジり始めて、情報を収集しているうちに同好の仲間が増えた。アクセラ好き、車好き、今では休日のたびにそんな仲間たちとドライブを楽しんでいる。
グローブボックスの上には、これまでに走覇した峠の名が並ぶ。
イニシャル……K?
「いやいや、おとなしく安全運転でドライブを楽しんでいます(笑)」

マツダの深みのある赤が好きで、ハッチバック車のリアスタイルが好きだった上條さんは、免許を取得すると迷うことなくこのアクセラスポーツを手に入れた。
「ちょうどマイナーチェンジのタイミングだったんですけど、マイチェン前のデザインの方が好きだったので即決しました。その分、値引きも大きかったですし」
なるほど、マイナーチェンジのタイミングで、あえてマイチェン前のモデルを狙ってみるのもいい作戦かもしれない。
ちなみに気に入らなかったのは、マイチェン後のビミョーなヘッドライトのデザインの違いだった。車好きのこだわりは、昔も今も細部に宿る。

若者の車離れなんて、嘆いているのは誰?
車を運転するのも、イジるのも、眺めているのも好き。だから、いつも一緒にいたいし、一緒にいるからにはカッコいい相棒でいてほしい。
車は親友であり、恋人のようなものです、と上條さんは少し照れくさそうに言った。
車好きな友人が、まわりにたくさんいる。FDやロードスターも気になる。マツダ乗りの友とは、いつか広島の本社まで走って行きたいな、と語り合う。
年間に2万km走り、ほとんどの整備は自分で施し、駐車するときにはステアリングを外すという自らのスタイルをかたくなに守る。
「もし買い替えることになっても、またハッチバック車を選ぶと思います。ボディカラーは、その車にいちばん似合う色を選びたい。だけど、ステアリングは外しますよ。カッコいいから」
若者の車離れ、なんて嘆いているのは、いったい誰だろう? 車との付き合い方が時代とともに変化しているだけで、いつの世も若者たちは自分らしいスタイルで車と触れ合っている。
大切なのは、超カッコいいこと。
そんな頼もしい若者が、ここにいる。



上條勇人さんのマイカーレビュー
マツダ アクセラスポーツ(3代目)
●購入金額/約230万円
●年間走行距離/約7000㎞
●マイカーの好きなところ/マツダのソウルレッド 、顔、お尻
●マイカーの愛すべきダメなところ/マツコネのナビが首都高を走ると下道にルートが変わります(笑)
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/スポーツカー乗りたいけど家族持ちでファミリーカーを乗らざるを得ない、だけどスポーティでカッコいい車を探してる人!

インタビュアー
夢野忠則
自他ともに認めるクルマ馬鹿であり、「座右の銘は、夢のタダ乗り」と語る謎のエッセイスト兼自動車ロマン文筆家。愛車は1万円で買った90年式のフォルクスワーゲン ゴルフ2と、数台のビンテージバイク(自転車)。
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