▲今回は雨の日の運転に必須なワイパーについて、その道のプロに話を聞いてきた! ▲今回は雨の日の運転に必須なワイパーについて、その道のプロに話を聞いてきた!

ワイパーは消耗品なので定期的な交換が必要

車に乗っていれば日常的に起こることの中に、疑問には思うが、知らなくてもお店や誰かがやってくれることがある。その中で、知ればナットク! の情報をGetしに、車界のプロの仕事を見学しに行く。今回のテーマは、「ワイパー」だ。

雨の日、ちゃんとワイパーを動かしているにも関わらず、前が見えづらい。そんな経験、一度はないだろうか。見えづらくても「雨のときだけだから」と、ついついそのままにしてしまっている人もいるはずだ。

しかし、視界が悪い状態での運転は事故の原因にもなりかねないので非常にキケン。実は、そんな視界不良の原因はワイパーにある。ワイパーのふき取り部分はゴムなので、徐々に性能が低下していく“消耗品”。だからワイパーのゴムは、定期的に交換する必要があるのだ。

そこで今回は、株式会社ホンダカーズ東京中央 蒲田店のサービスフロント、鳥澤佑治さんにワイパーが劣化する原因や交換するタイミング、また交換にかかる費用や時間について聞いてきた。

 
▲今回、話を伺ったのは、株式会社ホンダカーズ東京中央 蒲田店のサービスフロント、鳥澤佑治さん ▲今回、話を伺ったのは、株式会社ホンダカーズ東京中央 蒲田店のサービスフロント、鳥澤佑治さん

Q.なぜワイパーを動かしても前が見えづらいのか

鳥澤さん:ワイパーは使用するたびに摩耗していくうえ、時間が経てば、素材であるゴムの硬化や劣化が進みます。また、ガラスについている埃なども一緒にふき取っているので、ゴムにキズがつきます。このように劣化したりキズがついてしまうと、ワイパーのふき取り性能が低下し前が見づらくなります。

ワイパーはゴム製品なので、タイヤと同じように定期的な交換を必要とする消耗品なのです。
 

▲ゴムが硬化し、ヒビが入ってしまったワイパーは、指で触れるとザラザラしている ▲ゴムが硬化し、ヒビが入ってしまったワイパーは、指で触れるとザラザラしている

Q.いつ交換すればいいか

鳥澤さん:交換の目安としては、新品を装着してから1年から1年半くらいですね。なぜならワイパーのゴムがこのくらいで硬化してしまい、その性能が発揮できなくなる平均的な寿命だからです。

使用頻度が多い場合はもちろん、ガラスが乾いている状態や、霜がついたままの状態でワイパーを動かすような使い方をしてしまうと寿命は短くなります。ですので、ワイパー使用時に少しでも「見えづらいな……」と感じたら、使用期間に関わらずに、ディーラーなどで点検してもらうといいでしょう。
 

▲ワイパーのゴムは車種によって使用するものが異なる ▲ワイパーのゴムは車種によって使用するものが異なる
▲上が劣化したワイパーゴムで下が新品。見ただけでは判断が難しいので劣化の具合はプロに判断してもらおう ▲上が劣化したワイパーゴムで下が新品。見ただけでは判断が難しいので劣化の具合はプロに判断してもらおう

Q.交換はどこで? 費用と時間はどのくらいかかるのか

鳥澤さん:ディーラーはもちろん、ガソリンスタンドやカー用品を扱う量販店でも購入、交換できます。交換にかかる費用はワイパーゴム代と工賃を含めフロント2本の交換で2500~3000円ほどです。作業時間は10分~15分くらいです。

ただしワイパーゴムは車種によってサイズや価格が異なります。弊社ではホンダ車の約9割のモデルに対応するワイパーゴムを在庫していますが、お店によっては取り寄せになることもありますので、交換の際は事前に在庫確認をしておくといいでしょう。
 

▲実際に交換作業を見学させてもらったが、あっという間に完了した ▲実際に交換作業を見学させてもらったが、あっという間に完了した

【覚えておこう】交換したけど見づらい……そんなときはガラスに原因が

ワイパーを新品に交換したのに、まだ視界がぼやけている。また、ワイパーがガタガタと振動するようにぎこちなく動き、きちんとガラスをふき取れない。

このような症状の場合はガラス自体に問題がある。大抵の場合は、ガラスに付着した油膜や、水滴が乾いてうろこ状に焼きついてしまったシミが原因だ。このような汚れはガラス面を磨くことで除去が可能。費用は2000~3000円ほど。汚れがひどい場合は、専用の機械を使った磨きこみが必要で、費用は1万円前後となる。

ガラス面の汚れについてもワイパーゴムを交換してもらうときに、プロにガラスの状態をチェックしてもらうと安心だ。ガラスの表面をリフレッシュすることで、結果的にワイパーゴムを傷めず、長持ちさせることができる。
 

▲これがガラス面についたうろこ状の汚れ。ザラザラしていて、摩耗を早める他、視界不良の原因になる ▲これがガラス面についたうろこ状の汚れ。ザラザラしていて、摩耗を早める他、視界不良の原因になる
▲機械と研磨剤を使用し研磨する。油膜や汚れを削り取り、ガラス面をリフレッシュさせることができる ▲機械と研磨剤を使用し研磨する。油膜や汚れを削り取り、ガラス面をリフレッシュさせることができる

※本記事は、カーセンサー 2018年1月号(2017年11月20日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
 

text/編集部 大平拓摩
photo/編集部 大脇一成
illustration/白根ゆたんぽ