▲国土交通省の資料によると、20代の免許保有率は8割以上。ただし、東京都だけでみると、1991年に74.2%であった免許保有率が2011年には63.5%まで減少している ▲国土交通省の資料によると、20代の免許保有率は8割以上。ただし、東京都だけでみると、1991年に74.2%であった免許保有率が2011年には63.5%まで減少している

人生のうちで最もカーライフを楽しめるのは大学時代かも

つらくて長い受験勉強を乗り越えて、無事、大学に進学した学生諸君。合格おめでとう。もしかしたら、来たるべき新生活に向けて、自動車学校で免許取得の真っ最中という人も多いかもしれない。

「若者の車離れ」が言われ始めて久しいが、個人的には、大学時代こそ、人生のうちで最も車を楽しむことができた時代だったと感じている。もちろん、安い買い物ではないし、維持費もかかる。しかし、そこを差し引いても、大学生だから乗れる車や楽しめるドライブが存在するのだ。

一体、なにを根拠に「大学生こそ車を持つべき」と言っているのか。その理由は5つある。

1つ目は「時間」。社会人になると、労働時間が長く、学生時代よりも休みは確実に少なくなる。その点、学生時代ならば、車で遊びに行ける機会が社会人よりも多い。深夜、思い立ったときにドライブに行けるのも学生の特権だ。また、時間があれば、ふと思いついたときに遠方までドライブに出かけることも可能である。

2つ目は、友人の存在だ。社会人になると、学生時代と比べると大勢で遊びに出かける機会は減ることが多い。一方、大学でサークル活動などをしていると、4~5人程度で遊びに行くことは珍しくないだろう。そんなとき、公共交通機関よりも、プライベートな空間で移動ができる車の方が盛りあがることは間違いない。

3つ目は恋愛。誤解を恐れずに言えば、10代後半から20代前半の頭の中には、常に「恋愛」があると言っても過言ではない。車があればデートの幅が広がることだろう。

4つ目は家族形態。結婚をすると、車選びの優先事項に「家族」が加わってくる。しかし、独身である大学生時代なら、趣味性が高い車を選ぶことが可能だ。

そして5つ目は、一昔前に比べると、安くてもいい中古車が増えているということ。お金がない学生でも、探せば素敵な車に出会えるのだ。

やや前時代的な意見があったかもしれないが、今回は、これらのポイントも踏まえつつ、大学生にオススメしたい車を、

「みんなでワイワイ遊べる車」

「とにかくモテたい! 女子受けする車」

「独身で時間がある学生時代にしか乗れない車」

「通学の足としての車」

といった視点から考えてみた。
 

レジャーから日常の足まで快適に使い倒せるSUV

「みんなでワイワイ遊べる車」には、日産 エクストレイル(初代)がオススメ。本格派のSUVながらボディサイズはコンパクト、また、スクエアなボディ形状は見切りも良いので、取り回しは抜群。運転しやすいので、友人を前にして、駐車場でもアタフタしなくてすむのもポイントだ。それでいて、定員5人の室内は意外と広く、大人4人ならば余裕をもって座れるのも嬉しい。

エクストレイル(初代)はアウトドアで使い倒せる「タフギア」な車。余裕をもって道具が積める広いラゲージは、底面を取り外して直接水洗いできるので、BBQや夏・冬のレジャーに活躍しそう。また、撥水加工シートなので、友人が車内で飲食しても気にならない。
 

▲エクストレイル(初代)の平均価格は52.3万円、平均年式はH15年。(3月17日時点)オススメはH18年型以降の最終型モデル。前席ヒーター付シート、インテリジェントキー、エンジンイモビライザーなどが標準装備されたグレード「S」や「X」が狙い目だ ▲エクストレイル(初代)の平均価格は52.3万円、平均年式はH15年。(3月17日時点)オススメはH18年型以降の最終型モデル。前席ヒーター付シート、インテリジェントキー、エンジンイモビライザーなどが標準装備されたグレード「S」や「X」が狙い目だ

女子受けNo1の車で彼女とドライブ

「とにかくモテたい! 女子受けする車」には、定番だがミニ ミニ(2代目)がオススメだ。女子ウケするキュートなフォルムながら、さりげなく「BMW」ブランドの品の良さも併せもつ。乗っている男子をちょっとオシャレに見せてくれる魔法の車といっていいだろう。

円型をモチーフにしたインテリアも可愛らしく、また、運転席と助手席が近いのもポイント。そのフォルムからギラギラ感を感じさせないが、なにげに2人の仲を接近させてくれる肉食的部分もある。
 

▲2代目ミニは、初代のクライスラーとの共同開発エンジンからBMWが開発した新エンジンに変更。平均価格は161.2万円とちょっとお高めだが、初代ミニに比べると故障も少ない。また、H19年の初期型を狙えば、車両本体価格50万円台も存在する(3月17日時点) ▲2代目ミニは、初代のクライスラーとの共同開発エンジンからBMWが開発した新エンジンに変更。平均価格は161.2万円とちょっとお高めだが、初代ミニに比べると故障も少ない。また、H19年の初期型を狙えば、車両本体価格50万円台も存在する(3月17日時点)

世界で一番売れた2シーターオープンカーで走りを楽しむ

「独身で時間のある学生時代にしか乗れない車」には、マツダのロードスター(3代目)がオススメ。男たるもの、一生に一度はオープンカーで格好良くキメて、スポーツカーでブイブイ言わせたい。その願望を一気にかなえてくれるのが、シリーズを通して『人馬一体』のコンセプトで開発されているロードスターだ。

とにかく、走りの楽しさを味わえるので、車が少ない深夜に峠道をドライブする楽しみもある。ライトウェイトオープンスポーツカーなので、交通ルールを守りながらでも、車を操っている感覚が楽しめる。

結婚して子供ができると、2シーターのオープンカーなんて、ほぼ確実に候補から外れる。自由気ままな大学生時代に乗っておきたい1台だ。
 

▲ロードスター(3代目)の平均価格は151万円、平均年式はH20年式。しかし、H19年式以前だと、100万円を切る物件も多い(3月17日時点) ▲ロードスター(3代目)の平均価格は151万円、平均年式はH20年式。しかし、H19年式以前だと、100万円を切る物件も多い(3月17日時点)

燃費も良くてデザインもGood。必要十分な1台

「通学の足としての車」でオススメなのは、ズバリトヨタのアクア。移動の道具として割り切ったときに重要なのは、取り回しのしやすさや燃費の良さ、維持費の安さなど。アクアはコンパクトハイブリッドなので、これらの条件を満たす。さらに、最近の若者の心理にある、「目立ちすぎるのはイヤだけど、少しは個性を主張したい」という部分においても、全14色からなる豊富なボディカラーや評価の高いデザインなどで満足できるだろう。

アクアをオススメしたい理由はもうひとつ。道具として車を選ぶということは、大学生活だけで使う車を探しているというわけではないだろう。できれば長持ちした方がいいはずだ。アクアは2011年12月デビューで、中古車はすべて現行型。初期型でも4年落ちなので、大学生活4年間乗ってもまだ8年。新社会人になっても、しばらくは乗り続けることができるだろう。
 

▲秀逸なのは燃費性能。燃費性能はJC08モードで35.4km/L。物件の平均年式はH25年式、平均価格は144.6万円と高めだが、60万円代以下も15台存在していた(3月17日時点) ▲秀逸なのは燃費性能。燃費性能はJC08モードで35.4km/L。物件の平均年式はH25年式、平均価格は144.6万円と高めだが、60万円代以下も15台存在していた(3月17日時点)

軽自動車は女性をターゲットにした可愛らしい車種が盛りだくさん

さて、最後にひとつだけ追加。それは、「女子大生が乗りたくなる車」だ。往々にして、男子よりも車への興味が少ない彼女たちは、「自分の感性にあっているかどうか」を車に求めている。それは、見た目だけではなく、雰囲気や車のこだわりなども含めて「カワイイ」という言葉に集約されるかもしれない。

そんな女子向けに自動車メーカーは「カワイイ車」を開発。特に軽自動車に力を入れている。個人的にはスズキ ハスラーのピンクなどをオススメしたいのだが、新しい車なので、いかんせん中古車相場がこなれていない。顔つきが似ているラパンショコラも、やや相場が高めだ。

しかし、丸形ヘッドライトで愛らしいフォルムの軽自動車なら、ダイハツ ミラココアがあるではないか。愛嬌のあるフロントマスクや丸みを帯びたデザインの可愛らしさはもちろん、国内初となるバックモニター内蔵ルームミラーをはじめ、運転のしやすさにも配慮がしてある。まさに、ダイハツがターゲットとした「自分の感性・感覚でモノ選びを行い、毎日を肩肘張らずに楽しむ女性」にオススメしたい1台だ。
 

▲ミラココアはH21年デビューで、中古車はすべて現行型。平均価格は101万円だが、初期型では50万円を下回る物件も20台以上存在する(3月16日時点) ▲ミラココアはH21年デビューで、中古車はすべて現行型。平均価格は101万円だが、初期型では50万円を下回る物件も20台以上存在する(3月16日時点)

春から始まる大学生活。車があれば、ちょっとだけ楽しみの幅が広がるかもしれないぞ。
 

text/コージー林田