3月29日、ホンダは新たな安全への取り組みと技術を発表。「安全技術」、「安全教育」、「安全情報」という3つの柱を連携させ、交通事故ゼロを目指すという。

ひとつ目の「安全技術」とは、エアバックや自動ブレーキなど乗員および事故の相手の安全を守る技術のこと。今回の発表では、今年発売予定の新型フィットに搭載する事故回避システム「シティ ブレーキ アクティブ システム」を紹介。衝突回避ブレーキに、ペダルの踏み間違いによる誤発進を抑制する機能もプラスしたシステムだ。

ふたつ目の「安全教育」は、その名の通り、安全運転に関する教習プログラムのことを指す。運転講習のプログラムを用意し、ドライビング技術を底上げすることで事故をなくそうというのだ。

その一環としてホンダは、運転中にも安全運転を促す「安全運転コーチング」を開発。インターナビとスマートフォンアプリで利用できるシステムで、急ブレーキが多発している信号のない交差点などに近づくと、その速度に応じて「この先、急減速多発交差点です」、「安全への心掛けありがとうございます」など音声で安全運転を促す。

最後の「安全情報」とは、ホンダの純正ナビ「インターナビ・リンク」やwebなどを用い、安全に関する情報を共有していくシステムのこと。その代表格が3月29日に一般公開された「セーフティ マップ」だ。

これは、インターナビから収集した「急ブレーキ多発地点」、警察が保有する「交通事故多発地点」、地域住民や企業、団体から投稿される「危険スポット」などの情報を地図上に掲載するサービス。急ブレーキ多発地点などをあらかじめ知ってもらい、未然に事故を防ぐことを目的としている。 現時点では埼玉県のみに対応している。

なお、埼玉県以外でも危険スポットの投稿は可能。今後は他県でも展開していく予定だという。

これら「テクノロジー(安全技術)」、「人(安全教育)」、「コミュニケーション(安全情報)」の3方向からアプローチを続けることで「事故のない社会」を作れるというのがホンダの考えだ。安全技術に頼るだけでなく、危険な場所を知り安全運転を心がけるというドライバーの努力も、“事故ゼロ”社会の実現には必要だ。

シティ ブレーキ アクティブ システム。約30km/h以下で走行中に衝突の危険をレーダーで感知すると警告を発し、減速しなかった場合には自動でブレーキがかかる

シティ ブレーキ アクティブ システム。約30km/h以下で走行中に衝突の危険をレーダーで感知すると警告を発し、減速しなかった場合には自動でブレーキがかかる

セーフティ マップ。Googleマップを使用しており、その場所の画像や「みんなの追加地点」も確認可能。PCだけでなくスマートフォンでも見ることができる

セーフティ マップ。Googleマップを使用しており、その場所の画像や「みんなの追加地点」も確認可能。PCだけでなくスマートフォンでも見ることができる