三菱 エクリプスクロス▲今回試乗したのは、2019年6月に追加された三菱 エクリプスクロスのディーゼルモデル。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をレポートする

エクリプスクロスに待望のディーゼルモデルが加わった

昨年3月にすでに販売されているエクリプスクロスのガソリンモデルは、すでに報告しているとおりとても素晴らしい。

他の横置きエンジンのAWDモデルと比べて、文句のつけようがないくらい素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。


しかも華美な部分はないが、質感はこのクラスと価格では高い部類に入る。

そして今年6月、デリカD:5でもおなじみの2.2Lディーゼルターボのユニットを搭載するモデルが加わった。

ガソリンモデルのおよそ1.6倍となる38.7kg・mのトルクを発揮するため、想像するだけでそのパフォーマンスが楽しみになる。

今回の試乗会は、静岡県の朝霧高原で開催された。当日はあいにくの大雨で、当初予定していたオフロードコースでの試乗ができない状態であったため、舗装された公道のみの試乗となったがその様子をお伝えしたい。

三菱 エクリプスクロス ▲試乗日当日は大雨のため公道のみの試乗だったが、ディーゼルモデルのパフォーマンスの高さは十分に伝わってきた

力強くも上質な加速を見せてくれた

エンジンを始動すると、プレミアムセグメントのディーゼルモデルよりもやや大きなエンジン音が聞こえる。ただし、想像していたよりも静かで、決して嫌なノイズではない。

Dレンジに入れて走らせる。トルクフルなエンジンと8速ATとのマッチングにより、エンジン回転を抑えながら小気味よくステップアップして速度を上げる。

アクセルをぐっと踏み込んでも、大きくキックダウンすることはない。最小限のシフトダウンで、エンジンが最も効率よく力を発揮するパワーバンドへと導いてくれるのだ。

4人乗車の状態であったが、驚くほど加速性能は高い。エンジン回転数を上げることだけにこだわらず、パワーバンドに合わせるようにアクセルを操作すると、スムーズでとにかく速い。

大きなトルクを携えたエクリプスクロスは、どの速度域からでもちょっと踏み込めば間髪入れず加速状態に持ち込んでくれる。

山間部の上り坂では、パドルシフトでギアをホールドにして走るのも楽しいが、エンジンとATの統合プログラムに任せた走りはだんぜんスムーズで、エンジンのノイズも最小限に抑えて走ることができる。

さすがにフル加速したときにはメカニカル音が大きくなるが、そういった無理な踏み込みをしなければ、いたってマナーの良い上質なコンパクトSUVである。

三菱 エクリプスクロス ▲どの速度域からも驚くほど鋭い加速を見せてくれた
▲搭載されるのは最高出力145ps、最大トルク38.7kg・mを発揮する2.2Lディーゼルターボエンジン ▲搭載されるのは最高出力145ps、最大トルク38.7kg・mを発揮する2.2Lディーゼルターボエンジン

中身で勝負のコンパクトSUV

ガソリンモデルでも報告したように、エクリプスクロスのプラットフォームはとても剛性が高く、サスペンションも路面の凹凸合わせてリニアに動く。

三菱自動車は長年ラリーをはじめとしたモータースポーツに参戦しているが、その中で培ったハンドリングはアスファルトよりもグラベルや圧雪路で試したくなるセッティングだ。

AWDのセッティングはナチュラルで、「ガチガチに制御しています」というような雰囲気は出していない。それでいて、滑りやすい雨の路面でも不安を感じることなく、安定した走りを見せてくれた。

正確なハンドリングと、奥深さを感じるサスペンション、そしてエンジニア的に本物を追求するAWD性能……かっこばかりの“なんちゃってSUV”とは無縁だと改めて感じる。

横置きエンジンAWDレイアウトのコンパクトSUVの中では、最も優れているモデルといって良いだろう。

▲ぜひともオフロードコース試乗も行いたかったが、安全上の問題で中止に……。おそらくこれくらいのコンディションであれば、難なく走破できるポテンシャルをもっているだろう ▲ぜひともオフロードコース試乗も行いたかったが、安全上の問題で中止に……。おそらくこれくらいのコンディションであれば、難なく走破できるポテンシャルをもっているだろう
▲現時点では最も優れているコンパクトSUVのひとつといって間違いない! ▲現時点では最も優れているコンパクトSUVのひとつといって間違いない!
文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】

●三菱 エクリプスクロス 2.2 ブラックエディション ディーゼルターボ 4WD

型式 3DA-GK9W 最小回転半径 5.4m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.41m×1.81m×1.69m
ドア数 5 ホイールベース 2.67m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.55m/1.55m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.87m×1.49m×1.24m
4WS - 車両重量 1680kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.18m
マニュアルモード
標準色

ライトニングブルーマイカ、チタニウムグレーメタリック、ブラックマイカ

オプション色

レッドダイヤモンド、ホワイトパール

掲載コメント

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型式 3DA-GK9W
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ライトニングブルーマイカ、チタニウムグレーメタリック、ブラックマイカ
オプション色 レッドダイヤモンド、ホワイトパール
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.4m
全長×全幅×
全高
4.41m×1.81m×1.69m
ホイール
ベース
2.67m
前トレッド/
後トレッド
1.55m/1.55m
室内(全長×全幅×全高) 1.87m×1.49m×1.24m
車両重量 1680kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.18m
掲載用コメント -
エンジン型式 4N14 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 60リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 15.2km/L
総排気量 2267cc 燃費(WLTCモード) 14.2km/L
└市街地:11km/L
└郊外:14km/L
└高速:16.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 145ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
380(38.7)/2000
エンジン型式 4N14
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 2267cc
最高出力 145ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
380(38.7)/2000
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 60リットル
燃費(JC08モード) 15.2km/L
燃費(WLTCモード) 14.2km/L
└市街地:11km/L
└郊外: 14km/L
└高速: 16.4km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。