ターボモデルは最もスポーティな4気筒ミニバンだ

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コンセプト

エンジン&ミッションを変更して走りを向上させた

ディオンは5ナンバーサイズのボディに3列シートを組み込み、7人乗りを実現しているミニバンだ。1983年2月に登場した元祖ミニバンであるシャリオの血統を継いだモデルといえ、クラシカルなサイドデザインと運転のしやすさで、これまでも好評を得ていた。

今回のマイナーチェンジで大きな変更点はエンジンとミッションで、主に走りの魅力をアップさせている。まずエンジンは、1.8LGDIターボと2L自然吸気の2本を用意。三菱が得意とするGDIターボは165ps、22.4kg-mという性能をもち、INVECS-IIの4速ATと組み合わされる。2L自然吸気エンジンにはINVECS-IIICVTと名づけられたニューフェイスのCVTを搭載。つまりターボモデルはスポーティグレード、2L+CVTはラグジュアリィグレードという区分になる。
室内&荷室空間

自然吸気系は茶基調。ターボ系は黒基調

基調色がブラウンのモノトーンでインパネにもブラウンの木目調パネルを採用し、シートにニット地を用いて全体にシックな印象を醸し出すのが自然吸気エンジン系の“エクシード”だ。一方の“ターボ”のインテリアの基調色はオフブラックのモノトーン。インパネにはダークブルーの木目調パネルが用いられている。シート地はスエード調ニット地を使用し、ステアリングは木目調+本革巻きのコンビネーションタイプでやや太め。スポーティなイメージだ。

シートアレンジは1列目+2列目のフルフラット、2列目+3列目のフルフラットのほか、サードシートの反転フラットなど、多彩な組み合わせを可能としている。またVIEを除く全グレードの2列目シート中央部のアームレストに、カップホルダーが採用された。
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ドライブフィール

自然吸気モデルに載るCVTは改良の余地あり

4速ATと組み合わされた1.8Lターボ系には、FFに加え4WDもラインナップされている。1.8Lターボ系の試乗車はFFモデルで、4WDモデルより車重で70kgほど軽い。なのでDレンジでのスタートもスムーズで2000rpmあたりからのトルクも太く感じた。0→100km/hの加速は11秒台で6000rpmまでスムーズに吹け上がる。4気筒エンジンのミニバンの中で、最もスポーティな印象だ。ステアリングはやや重めで、このフィーリングからもスポーティな味つけが感じ取れる。

“エクシードに” も乗ってみた。こちらは出力が135ps、18.7kg/hなので、0→100km/hの加速もターボ系より約1秒遅い。そして何より一番気になったのは、CVTからのノイズと、スムーズさに欠けたCVTの動きだった。このCVT、まだまだ改良の余地があるだろう。
こんな人にオススメ
1.8Lターボエンジンを搭載する“ターボ系” は、ファミリィミニバンでも一定レベル以上の軽快な走りを楽しみたい人向きのクルマだ。ナビパッケージは228万円、ノーマルターボ仕様は199.8万円という価格。装備を見ると買い得な感じはする。1.8Lという排気量は基本的に経済的。若い家族にピッタリだろう。
SPECIFICATIONS
グレード ターボ ナビパッケージ
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4460×1695×1650
ホイールベース(mm) 2705
車両重量(kg) 1400
乗車定員 7人
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1834
最高出力 121kW(165ps)/ 5500rpm
最大トルク 220N・m(22.4kg-m)/3500rpm
車両本体価格 228.0万円
写真:奥隅圭之 文:石川真禧照