三菱 エアトレック【プレイバック試乗】
カテゴリー: 三菱の試乗レポート
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2009/12/22
コンセプト
従来のオフローダーとは一線を画した都会派RV
三菱から、まったく新しいSUVのエアトレックが登場した。これまでの三菱というと、RV以前にパジェロ以来のオフロード性が常にアピールされていた。そのためにライトクロカンのスポーツギアも土の香りの強い商品だった。しかしエアトレックでは、都会性を強調し、デザインのよさと、利便性を前面に出している。
エクステリアはモダンなステーションワゴン風でもある。タワーパーキングに入るギリギリの車高である1550mmと、林道も走れる最低地上高195mmを両立させている点でも斬新だ。
FFと4WD、2L(126ps)と2.4LのGDI(139ps)それぞれにINVECS-IIスポーツモードATが組み合わされる。大胆な価格設定も歓迎すべきだろう。
室内&荷室空間
パッケージングはまさに“イイトコどり”
好みのインテリアを選択できる点もエアトレックの魅力。カジュアル、ダークグレーのジェントル、そして本革シートのラグジュアリィ、の3種から選べる。この中でエアトレックを見事に表現しているのは、テラコッタ調オレンジとスエード調グレーの配色がモダンなカジュアルだろう。明るく伸びやかなイメージを演出するデザインと、使い勝手とのバランスが優秀であり、質感、高級感ともに申し分がない。オプションのツインサンルーフを付けても、身長181cmの私が頭回りを窮屈に感じることはなかった。誰でも無理せず乗り降りできる点も評価できる。荷室は少ないアクションでフラットなスペースが得られ、程よい高さはステーションワゴン以上の使い心地が期待できそうだ。
ドライブフィール
ラリー仕込みの4WDは気負わず使うのが○
4WDは代々ラリーで活躍しているランサー譲りで、ビスカス付きセンターデフ方式の本格派。特に4WDを意識せずとも、普段のアシからスポーツ度の高いシーンまで抜群の安定感で応えてくれる。一方、FFモデルはソフトな乗り心地を目指したせいかどうかはわからないが、高速域でのハンドリングに少々腰高な印象を覚えたのも事実。しかし、軽快なスポーティさはなかなか良い。
GDIエンジンは、スポーツモードを使って高回転を引き出すのもよいが、それよりはフラットなトルク特性を生かしたゆったりした走りのほうが似合う。要するにこの車、スポーティなハンドリングを生かしてガンガン走るよりは、RV本来のゆとりあるクルージングを楽しむほうが、燃費を考えても正解なのだ。
こんな人にオススメ
まずは都会に住み、街中で手軽に駐車できるありがたみがわかる方。日常から遊びのフィールドまで、モノと自分の関係をイメージできる方。オシャレ心をもちつつ、コストパフォーマンスも重視するむきにはたまらない。必要に合わせて4WDとFFを選択できるので環境派もどうぞ。SPECIFICATIONS
グレード | 24V-S |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4410 x 1750 x 1550 |
ホイールベース(mm) | 2625 |
車両重量(kg) | 1745 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 2350 |
最高出力 | 102kW(139ps)/5500rpm |
最大トルク | 207N・m(21.1kg-m)/4500rpm |
車両本体価格 | 230万円 |
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