乗り心地と操縦安定性をバランスさせた、新感覚軽自動車

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コンセプト

ワングレードとして低価格を実現した

eKワゴンのパッケージングは、セダン的存在であるミニカとトールボーイであるトッポBJの中間に位置し、ゆったりとした居住空間とタワーパーキングにも入る実用性の両立を狙っている。

シンプルでクリーンなデザインをもつセミトール&ロングルーフのボディは、適度な高さで着座位置からの見晴らしもよく、乗り降りしやすいよう仕上げられている。

また衝突安全に関しても、高い性能を備える。デュアルSRSエアバッグやハイパワープリテンショナー付きフロントシートベルト、衝突安全強化ボディなどを標準装備し、危険回避性能も優れている。

グレードを3気筒SOHCエンジンと3速ATの組み合わせに絞り、低価格を実現したことも見逃せないポイントといえよう。
室内&荷室空間

特徴は視認性が高いセンターメーター

インテリアでの注目は、三菱車では初めて設定されたセンターメーターだ。走行中の視線や頭部の移動が少なく、焦点を合わせることも楽なので、視認性が高い。加えてスピードメーターの大きな文字も見やすく、例えば年配のユーザーにとっては安全にもつながるといえよう。ただしタコメーターは設定されていない。

フロントシートはベンチシート風で、コラムシフトと足踏み式パーキングブレーキによって、左右のウォークスルーが可能となっている。

また運転席回りに用意された豊富な収納スペースは注目モノ。ドア下部分に装着できる“プチごみ箱”や、ドアポケットの間仕切りとして、また寒冷時にガラスの霜取りとしての機能も兼ねた“霜とりクン”なども装備されている。ラゲージスペースは小さめだが、リアシートを畳めば大きな空間が生まれる。
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ドライブフィール

走りはすべてにおいて可もなく不可もなく

eKワゴンの走りの印象は、全体的には可もなく不可もなくといった感じ。全体にバランスが取れた性能を確かに備えるのだが、これといって突出した部分がないのだ。ある意味、限界走行性能を見切って作られた車であり、別の言い方をすれば、手頃さに徹した車ともいえよう。

50psのパワーを発生する3気筒エンジンの動力性能は、タウンモードでは十分といえるが、高速走行を想定するともう少しパワーに余裕が欲しくなる。3速ATも日常ユースでは不満は生じないが、4速ATならより静かでスムーズではないかと思わせる部分がある。

足回りも乗り心地と操縦安定性とをうまくバランスさせているといえるが、どちらも際立って良いというほどではない。
こんな人にオススメ
eKワゴンの特徴は、新パッケージングのボディにほどほどの性能を備え、低価格を実現した点。この低価格であることが受けて、発売早々から大量の受注を集めているという。確かに街乗りを中心に使うユーザーが、割り切って選ぶというのが正しい姿だろう。実用性を重視して使いこなすユーザーにお勧めだ。
SPECIFICATIONS
グレード M
駆動方式 FF
トランスミッション 3AT
全長×全幅×全高(mm) 3395 x 1475 x 1550
ホイールベース(mm) 2340
車両重量(kg) 790
乗車定員 4人
エンジン種類 直列3気筒SOHC
総排気量(cc) 657
最高出力 37kW(50ps)/6500rpm
最大トルク 62N・m(6.3kg-m)/4000rpm
車両本体価格 91万円
写真:渡邉英昭 文:松下 宏