※この記事はカーセンサー関東版39号(2000年10月19日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

上級モデルに遜色ない存在感と高級感のある仕上がり

  • 三菱 パジェロ 走り|ニューモデル試乗
  • 三菱 パジェロ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑レッドゾーンに迫る回転域ではGDI以上のスポーティな上昇感を実現(左)全幅はたっぷりと1875mmもある。グラマラスなボディは、もはやフルサイズクラスだ(右)
3代目の登場から1年を経て投入された新開発の3L MPI V6エンジンを搭載する、パジェロZRのロングモデルに試乗した。上級グレードとの外観上の違いは、グリルがメッキなのに対してブラックとなる程度で、存在感も高級感も遜色のない仕上がりだ。

室内は明るいファブリック素材が用いられ、ファミリィカー的な雰囲気となっている。シートは背もたれがゆったりと広く、腰部をしっかりとサポートするもの。現行パジェロは、ドライビングポジションが改善されており、膝回りのゆとりをはじめ、快適性は非常に高い。

スポーティな感覚で、小気味よさはGDIエンジン以上

  • 三菱 パジェロ インパネ|ニューモデル試乗
  • 三菱 パジェロ エンジン|ニューモデル試乗
↑ミニバン的手法も取り入れつつ、パジェロらしさは6眼メーターで主張するインパネ(左)MPI(マルチポイントインジェクション)エンジンで低中速域のトルクが向上(右)
3LモデルのATは4速ATで、スポーツモード付きではないが、走りっぷりに不満はなかった。トルク感は3.5L GDIエンジンや、ディーゼルターボの野太いまでの力強さはないものの、走り出しや、軽いアクセルでの加速時にも特に重く感じることはない。それに加えて4000rpm前後で走行していると、グングン前へ出る小気味よさがあり、レッドゾーンに迫る回転領域ではGDI以上のスポーティな上昇感がある。

特にディーゼル車に比べると、車重は100kg以上も軽く、その分路面からのインフォメーションが増した。これには現行モデルが大きく高級に変わりすぎて、SUVらしい乗り味を失ったと感じていた人たちにも、以前のスポーティ系パジェロに近い味わいを見いだせることだろう。

また現行モデルより精度を増したラック&ピニオン式ステアリングを採用しており、路面追従性が高く違和感のないハンドリングが楽しめる。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード ZR
駆動方式 4WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4735×1875×1855
ホイールベース(mm) 2780
車両重量(kg) 2000
乗車定員(人) 7
エンジン種類 V6SOHC
総排気量(cc) 2972
最高出力[ps/rpm] 180ps/5500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 27.0kg-m/4000rpm
10・15モード燃費(km/L) 8.4
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/90
車両本体価格 284.5万円

根本 純の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 4点 加速性能 4点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 4点 燃費 4点
後席居住性 4点 パワー感 4点 高速安定性 3点 ステータス 3点
内装の質感 3点 トルク感 3点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 79/100
(Tester/根本 純 Photo/武田 忠廣)