ホンダ N-ONE▲「タイムレスデザイン」を標榜する2代目ホンダ N-ONE。今回、上位グレードのプレミアムツアラーに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が公道試乗でレポートする

外観はキープコンセプトというより“キープ”

2代目ホンダ N-ONEが登場して約半年が経過した。

8年前に初代N-ONEが登場したときは、走った雰囲気や質感の良さに度肝を抜かした。小さいモデルの強さを感じたものだ。そしていま、目の前に2代目N-ONEがある。グレードは上位に位置するプレミアム ツアラーだ。

初代から8年が経過してのフルモデルチェンジだが、外観のデザインだけを見ると、キープコンセプトというより“キープ”という方がふさわしいようだ。

プラットフォームの違いはあるものの、キャビンを構成する剛性を保つためのプレスラインに大幅な変更は見られない。つまり、結果として外観に目に見える変更が必要なかったということであろう。

プレミアム ツアラーは専用色を使った仕様で、試乗するモデルはブリティッシュグリーン・パールにルーフがシルバーのモデル。軽自動車ながら、シックでプレミアム感を醸し出すカラーリングだ。ちなみに、この仕様はカタログで見ると税込みで6万500円が本体価格に上乗せされる。

ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONE

スムーズな加速と高い静粛性のパワーユニット

一方、エンジンとプラットフォームは大きく変更している。

パワートレーンは、3気筒ロングストロークユニットにターボを搭載したエンジンにこだわりをもって作られていて、ホンダらしいユニットだ。ロングストロークとコンパクトな燃焼室との組み合わせは、ドライバビリティの向上とブロックのコンパクト化、そして剛性向上などに効果がある。

CVTは市街地の走行では、最も効率の良いエンジン回転をキープできる。その恩恵で、ターボでもトルクをフラットにしてスムーズな加速が得られるのだ。

660ccエンジン+ターボにCVTの組み合わせは、今やドライバビリティにおいてもリッターカーに引けを取らないと感じた。

また、ホンダエンジンの音色の良さは、ちょっとしたところで現れるのではないかと感じずにいられない。3気筒であるがアイドリングがとても静かなのだ。大人3人が乗っての試乗だが、上り坂でも中間の加速でも、まったくストレスがない。

ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONE

乗り心地の進化はしっかり「8年分」

「リッターカーに引けを取らない」のはドライバビリティだけではない。初代N-ONEも乗り心地や静粛性は群を抜いていたが、「8年の進歩」は見た目がほぼ同じとは思えないほど大きい。

具体的には、乗用車サイズを感じられるサスペンションのセッティングになっていて、乗り心地に深みが出ている。さらに、軽量でありながら、微少の振動をダンパーとゴムブッシュが取り除き、ボディに伝わる振動を最小限にとどめている。

ステアリングをつかさどるサブフレームやコラム剛性も向上しているのだろうと、コーナーや段差を乗り上げたときに、表面的には見えない質の良さが感じられるのだ。

ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONE

インテリアは軽最高クラス

最後になってしまうが、外観とは打って変わって、インテリアは初代とはずいぶん違う。

軽自動車では、最も質感の高さを感じさせる雰囲気だ。プレミアムツアラーは、特にシートのテキスタイルもハイクオリティだ。

この軽自動車というディメンションの中で、最高の自動車を作ろうとするホンダの創業時からの志が垣間見れる1台と言えるに違いない。

ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONE
文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●660 プレミアムツアラー

型式 6BA-JG3 最小回転半径 4.8m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.4m×1.48m×1.55m
ドア数 5 ホイールベース 2.52m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.3m/1.3m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.05m×1.3m×1.2m
4WS - 車両重量 860kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.14m
マニュアルモード
標準色

クリスタルブラック・パール、ブリティッシュグリーン・パール、シャイニンググレー・メタリック

オプション色

プラチナホワイト・パール、プレミアムアイボリー・パールII、ミッドナイトブルービーム・メタリック、プラチナホワイト・パール/ブラック、ミッドナイトブルービームM/シルバー、ブリティッシュグリーン・パール/シルバー、プレミアムアイボリー・パールII/ブラック

掲載コメント

-

エンジン型式 S07B 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 ターボ 燃料タンク容量 27リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 25.6km/L
総排気量 658cc 燃費(WLTCモード) 21.8km/L
└市街地:17.6km/L
└郊外:23.2km/L
└高速:23.3km/L
燃費基準達成 R02年度燃費基準
達成車
最高出力 64ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
104(10.6)/2600
型式 6BA-JG3
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 クリスタルブラック・パール、ブリティッシュグリーン・パール、シャイニンググレー・メタリック
オプション色 プラチナホワイト・パール、プレミアムアイボリー・パールII、ミッドナイトブルービーム・メタリック、プラチナホワイト・パール/ブラック、ミッドナイトブルービームM/シルバー、ブリティッシュグリーン・パール/シルバー、プレミアムアイボリー・パールII/ブラック
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
最小回転半径 4.8m
全長×全幅×
全高
3.4m×1.48m×1.55m
ホイール
ベース
2.52m
前トレッド/
後トレッド
1.3m/1.3m
室内(全長×全幅×全高) 2.05m×1.3m×1.2m
車両重量 860kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 S07B
種類 直列3気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 658cc
最高出力 64ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
104(10.6)/2600
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 27リットル
燃費(JC08モード) 25.6km/L
燃費(WLTCモード) 21.8km/L
└市街地:17.6km/L
└郊外: 23.2km/L
└高速: 23.3km/L
燃費基準達成 R02年度燃費基準 達成車
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。