走りと省燃費の両方を備えた“一歩先”のハイブリッド車

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コンセプト

5人乗り量販ガソリン車世界一の燃費を実現

異なる2種のパワーソースを組み合わせるのがハイブリッド方式だが、今日ではその2種とはエンジンとモーターとなっている。ホンダが現時点で市販しているのは、IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)というハイブリッドシステムで、すでにインサイトに搭載されて世界を走っている。

そのIMAシステムの進化したセカンドジェネレーションが、シビック4ドアに搭載されて新登場した。インサイトは2シーターとやや特殊なモデルだったが、このシビックの登場で、ようやく普通のセダンボディとハイブリッドシステムが合体した、ホンダ初のモデルとなった。

発表されている10・15モードの燃費は29.5km/Lで、これは5人乗り量販ガソリン車では世界一と、あのプリウスを抜いた!
室内&荷室空間

居住性を損なわないハイブリッドシステム

バッテリーやインバーターなどを含むエンジンではないもう一つのパワーユニット、IPUは、後席とトランクとの間に配置。トランク容量342Lを確保しつつもコンパクトに収納されている。ホンダ初のハイブリッド車であるインサイトのIPUより、容量にして32%少ないというのだから、技術の進歩は早い。

ということで、室内に対しての出っぱっりなどIPUの影響はほぼ皆無。シート背面裏のトランクの一部スペースが食われてはいるが、これも実用上、ほとんど問題ないレベルといえよう。

ただし、ここまでIPUをコンパクトにしても、ハッチバックのシビックには適切に収められるスペースがどこにもないのだという。シビックハイブリッドがセダンにしか設定されない理由は、ここにある。
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ドライブフィール

アイドリングストップは存在を忘れるほど秀逸

グリルなどが小変更されているが、左記のようにハイブリッドシステムは巧みに隠され、見た目での違いが少ないハイブリッド版シビック。この印象は走ってみても同様で、普通のシビックとの差はなかった。もちろんアイドリングストップ機構が付くので、走れば普通の車と違うことはわかるが。

しかしこの機能が、従来よりずっと俊敏でスムーズになっていた。信号などで停止するとすぐにエンジンが止まり、ブレーキから足を離すと静かに再始動する。あまりのスムーズさにこの機能を忘れそうにもなるが、これはエンジンとモーターによるアシストの感覚も同様。アクセルを踏むと加速するという、この普通の感覚を大事にしてのセットアップがなされていて、違和感は非常に少なかった。
こんな人にオススメ
ハイブリッドと知らない人がごく普通に使っていて、ガソリンスタンドに行ってみたらびっくり…、という車だろう。モーターが走りの主役になっているプリウスのような驚きは少ないが、しかし確実に省燃費できそう。乗り心地は硬め、かつしっかり。走りと環境、両方欲しい車好き環境派向きだろう。
SPECIFICATIONS
グレード ホンダ シビック ハイブリッド
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4455 x 1695 x 1430
ホイールベース(mm) 2620
車両重量(kg) 1190
乗車定員 5人
エンジン種類 直4SOHC +
交流同期電動機
総排気量(cc) 1339
最高出力 63kW(86ps)/5700rpm +
10kW/4000rpm
最大トルク 119N・m(12.1kg-m)/3300rpm +
49N・m(5.0kg-m)/1000rpm
車両本体価格 209.0万円
写真:桜井健雄 文:家村浩明