Report/西川 淳

世界のスポーツカー市場を震撼する

とんでもない車に乗ってしまった、ってまず思ったね。それを特に感じたのが、郊外路で走ったとき。オンボード映像が早送りになっているみたいな感じ、とでも言えば少しは想像してもらえるかなあ。乗ってて見える景色が早送り映像、と。知らず知らずに飛ばしている、というか。一番は旋回Gだろうなあ。一般路でフツーの人が1G以上で回ってるなんて話、聞いたことないもんねえ。

加速、旋回G、制動。走る、曲がる、止まる、のすべてが、今まで乗ったどの車よりも速くて安定していて異次元やった。これ、もう経験してもらうしかないんだけど。そのために777万円。安くないけど、高くないな。価値はある。

サーキットではね、それほど速いとも凄いとも480馬力もあるとも、感じなかったわけ。知らない間に速度が出ていて、苦労なく曲がって、結果的にタイムが出ている、みたいな車。ポン、と誰でも何よりタイムが出る。そういう車だなあという印象が強かった。

けれど、公道で乗ると、もうその異次元っぷりに驚くしかないわけ。

個人的には、目的目標単純到達型の、極めてデジタル志向な車かな、って思っていたし、ある程度まではそういう車だったけれど、1つ発見があった。それも、喜ばしい発見。

開発ドライバーであり、日本のトップレーサーでもある鈴木利男さんの横で、仙台ハイランドを5ラップして知ったこと。それは、かなり高いレベルの走りを誰にでも提供できているということは即ち、その上にまだまだ計り知れないぐらい深い領域があるということ。そこにこそ、操る感動があるという事実。だからこそ、オーナーになればそれを目指してみるべきだという想い。

鈴木選手曰く、「姿勢をコントロールすることが大事だね」

うーん、やばいな。買ったはいいけど、サーキットで走り込まなきゃ、本当の実力を引き出せないなんて。そりゃ、スーパーカーってのは、もてる実力を余すところなく試すために買うんじゃなく、もってるイメージとかをステータスやスタイルに変えて買うもんだから、そんなにマジになんなくてもいいのだけれど。

マジになりたい、そんな気にさせるのがGT-Rって車なんだよね、きっと。これがフェラーリやったり、アストンやったりすると、ちょっと恐れ多いというかね。そういう意味でも、いつでもどこでも誰でもスーパーカーなんだよな、新しいGT-Rって。

今ならまだ3月ぐらいまでに納車されるみたいですよ。6月過ぎると、北米市場へのデリバリーが始まるから、日本への割当台数は激減必至。これからわんさと試乗記が出てきて、おそらく、どれもこれも凄い凄い凄いってなるだろうから、ちょっくら試してみっか、という人でも、早めに手打ったほうがいいかもねえ。

ちなみに来年、Vスペック相当の車が出ます。もうテストもがんがんしてる。けれども、高級グレードというよりはむしろ、サーキット専用車のような位置づけ。ポルシェでいうと、GT3RS。だから、待たなくていいと思います。それに、軽く1000万円以上するだろうし・・・。

今回登場した車

日産GT-R

世界のスポーツカー界を震撼させるパフォーマンス

ライバルの車たち

ポルシェ911

まだまだ高値安定している現行モデル

BMW M3

NAエンジンにこだわり続け、気持ち良さはピカイチ

アストンマーティンV8ヴァンテージ

美しさだけでなく走行性能も一流に進化

フェラーリF430

新車納車待ちは数年単位の超人気スポーツカー

アウディRS4アバント

ワゴンとてあなどるなかれ。その性能は本物

フォトコレクション

写真:一見おとなしめなデザイン

一見おとなしめなデザイン

そこまでアグレッシブな走りをするとは思えない、ちょっとおとなしめのエクステリア。ルーフやCピラーのデザインは頑張った感じがする。中古車市場は早くもプレミアム付き

写真:丸目ブレーキランプがDNA

丸目ブレーキランプがDNA

4本出しマフラーは伊達ではない。800万円以下でこの性能が手にできる日本人は、ハッキリ言って幸せなことだと思う。維持費はどの程度かかるのか、今後の展開に期待しよう

写真:ちなみにコレは・・・

ちなみにコレは・・・

自分の愛車です。スカイラインとGT-Rの2台態勢にしています。赤にしたのは、注文のとき(カタログが間に合っていなかった)にほかの車のボディカラーがよくわからなかったから(笑)

写真:3800CC V6ツインターボ

3800cc V6ツインターボ

エンジンは最高出力480ps/6400rpm、最大トルク588N・m/3200~5200rpm、というとてつもないパワーをたたき出す。メチャメチャ速くて異次元

写真:注目度はものすごいです

注目度はものすごいです

フェラーリやランボルギーニに乗っているよりも、今は断然注目度があります。パーキングエリアでは、あっという間にご覧のありさま。バイクが走りながら“写メ”しようとするのは危険