日産 GT-R (西川淳)【ニューモデル試乗】
2013/12/26
内外装の仕立てといい、パフォーマンスといい、はっきり言ってサーキット専用。ナンバーを付けて公道を走っていいというだけの車を、選択する人のワガママ純度100パーと言わずして何と言う? 逆に標準仕様のRは、かなりワガママ度が減ってフツウの車に。時代を感じる
サーキットの近くに住んでみたくなる
GT路線とレーシング路線の追求
今回のイヤーモデル、もちろん注目はニスモだったわけだが、個人的には全く違うポイントに注目していた。それは、人。そう、R35GT-Rといえば水野和敏率いるユニーク組織内組織による傑作だ。そして、今年はじめ、ボスの電撃退職が発表され、GT-Rは一瞬、宙ぶらりんになった。春、後を引き継いだのが、田村宏志。R34GT-R最後の開発責任者であり、熱烈なR32GT-Rオーナーとしても斯界に知れ渡る人物である。短い時間で、彼はいかにGT-Rを再調理したのか?
まずは規定路線、という大方の予想をあざ笑うかのように、彼の打ち出した戦略は明白だった。GT路線とR(レーシング)路線の追求。結果、後者として誕生したのがニスモであり、スタンダードモデルは前者を目指して“フツウ”のハンドリングテイストをもつ車に生まれ変わった。良し悪しは、好みの問題だ。
ニスモの強烈パフォーマンスは圧巻のひと言
というわけで、サーキットのちょい乗りだったけれども、ニスモの強烈パフォーマンスは圧巻のひと言だった。
何と言っても驚いたのは、激っぱやの発進加速とウルトラフラットな高速コーナーの安定感の2つ。強力無比で操りやすいブレーキ性能と相まって、小さなサーキットでもぎくしゃくすることなくスムースに駆け抜ける。これは、無敵。
ちなみに、スタンダードモデルに関しては、ニスモとまるで真逆のテイストで、ノーズの出し入れがくっきり鮮明に分かる前アシのセッティングになっていた。乗り心地もずいぶんとカドが取れている。
ちなみに、ニスモのさらに上、ニュル仕様は、もう少し“柔らかい”らしい。
SPECIFICATIONS
グレード | NISMO | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 6DCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4680×1895×1370 | ||
ホイールベース(mm) | 2780 | ||
車両重量(kg) | 1720 | ||
乗車定員(人) | 4 | ||
エンジン種類 | V6DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 3799 | ||
最高出力[ps/rpm] | 600 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 652 | ||
車両本体価格(万円) | 1501.5 |
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